意図的なインボランタリーアップグレードを考える
{{name}}さん、こんにちは。
PAR@Seasoned Travellerです。
飛行機であれホテルであれ、
無料でのアップグレード
はいいものです。
長距離線のフライトでビジネスクラスにアップグレードしてもらう場合は特に。
フルフラットのシートで、ゆっくり寝ながら機内での時間を過ごすことができますね。
最初からビジネスクラスの予約ができればいいですが、例えば日本からヨーロッパまでのビジネスクラス往復はJPY400,000以上することもザラです。
ちょっと出発地や目的地をずらすことで安くすることはできますが、時間の関係でどうしても乗り継ぎ回数を増やすことができない、でもビジネスクラスは高すぎる・・・という場合もあるでしょう。
{{name}}さんは、インボランタリーアップグレード、いわゆる「インボラ」という言葉をご存知でしょうか?
チェックイン時、または搭乗時に、航空会社が(プレミアム)エコノミークラスからビジネスクラスに無償でアップグレードしてくれることを指しますが、このインボラの仕組みを知ることでアップグレードの確率を高めることができます。
今日は、インボランタリーアップグレードはなぜ発生するのか、アップグレードしてもらう確率を高めるにはどうしたらいいか、について考えてみたいと思います。
インボランタリーアップグレードの仕組み
インボランタリーアップグレードはなぜ発生するか、ですが、航空会社は座席のキャンセル率をデータ化していて、統計的にキャンセルされる座席数を見込んで、実際に座ることのできる座席数よりも多くの座席を販売します。
いわゆる「レベニューマネジメント(Revenue Management」の一環で、限られた在庫(飛行機の場合は座席数)の売り上げを最大化するために取られる手法です。
予め弾き出した数字通りにキャンセルがされれば良いのですが、そうならない時には全員座ることができません。
そんな時に、溢れ出した搭乗客を空いている上位の座席へ座らせることで、搭乗客全員を受け入れることになります。
これが、インボランタリーアップグレードの仕組みです。
上級会員資格があると尚良い
アップグレードされる搭乗客にも順番があって、インボランタリーアップグレードが必要になった場合は、当該航空会社の上級会員から優先的に座席を移動させます。
自社の上級会員を最優先するのはもちろんですが、実はアライアンスの中でも航空会社による序列があります。
これは各航空会社のシークレット事項に当たるので詳しいことは言えませんが・・・一つ言えるのは、
ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)の上級会員はワンワールド内でも優遇されている
ということです 🙂
何れにしても、ある航空会社・アライアンスの最上級会員である場合、アップグレードしてもらえる確率は30%程だそうです。
3回に1回はアップグレードしてもらえる計算になりますね。
アップグレード目当てに最上級会員を目指すと言うのも、考え方的にはアリなのではないでしょうか? 😉
BA Lifetime Gold Membership Clubのご案内
どうやってアップグレード率を高めるか
インボラの仕組みがわかったところで、
どうやってインボラの確率を高めるか
を考えてみましょう。
答えを先に言うと、
プレミアムエコノミークラスの座席を購入しよう
と言うことになります。
順を追って、説明します。
航空会社は、上述のレベニューマネジメントの一環として、エコノミークラスの搭乗客に対してしきりに、「プレミアムエコノミークラスへアップグレードしませんか」と言うオファーメールを送ります。
それが、プレミアムエコノミークラスの座席が満席であっても、です。
アップグレードを申し込んだエコノミークラスの搭乗客がプレミアムエコノミークラスのシートに座るとなった場合、元々プレミアムエコノミークラスを予約していた搭乗客は押し出され、ビジネスクラスへと移動することになります。
航空会社的には、
・エコノミークラスを購入した客から更にアップグレード料金を徴収できるので収益が上がる
・プレミアムエコノミークラスを予約した客をビジネスクラスへ移しても、食事は元のままなので新たに食事を準備する必要がない
と言うことで、空いているビジネスクラスを利用して空気を運ぶよりは少しでも収益が上がると言うことで、少しも痛くない訳です。
言わば、プレミアムエコノミークラスを利用して二重に収益を上げているような形ですね。
エコノミークラスのチケットを購入したとしても、アップグレードされるのはプレミアムエコノミークラスです。
であるならば、ビジネスクラスに最も近い席であるプレミアムエコノミークラスの座席を予約して、アップグレードを待ちましょう、という訳です。
アップグレードの確率を高めるには
インボランタリーアップグレードをしてもらうためには、闇雲に予約をしてはいけません。
ここでも、ちょっとした工夫が必要になります。
まずは、予約しようとしている便の全体の残席数を知ることが必要です。
いくらプレミアムエコノミークラスを予約したとしても、全体がガラガラなのであればそもそもアップグレードの必要はありませんからね。
ここで役に立つのがExpertFlyerです。
このツールは特典航空券の座席を調べるだけでなく、その便全体の空き状況をブッキングクラス毎に調べることができます。
そして、各キャビンクラス毎のブッキングクラスは何か、も調べることができるので、例えばプレミアムエコノミークラスはあと何席空きがあるか、と言うのもわかります。
このツールを利用して、どの時間帯のどの便がアップグレードされやすそうか、をチェックしましょう。
エコノミークラス・プレミアムエコノミークラス双方が結構埋まっている便がいいですね。
※ご参考
https://voyageavance.global/useful-tool-seminar
まとめ
プレミアムエコノミークラスを適切な方法で購入することでビジネスクラスへのインボランタリーアップグレードの確率を高めれば、より安い価格で快適なシートに座ることができます。
もしアップグレードされなかったとしても、エコノミークラスよりは足も伸ばせるし、シートも倒すことができます。
最悪、我慢できるレベルではあると思います。
プレミアムエコノミークラスの価格帯を考えても、エコノミークラスに比べれば悪くない投資だと思います。
なお、お伝えした方法は、絶対的な価格を抑えてビジネスクラスに搭乗することを考えるもので、各航空会社の上級会員になるためのフライトに対しては効果的ではありません。
なぜなら、座席をアップグレードしてもらったとしても獲得できるステータスマイル・ポイントは、購入時のブッキングクラスに基づくからです。
{{name}}さんが上級会員ではない航空会社・アライアンスに搭乗する場合に、ちょっとチャレンジして見るのは良いかもしれませんね。
また、インボランタリーアップグレードは1人で予約した方が確率が高まります。
1つの予約記録に複数名いる場合アップグレードの確率は下がるので、バラバラでの予約が可能なのであればできるだけ1人ずつ予約をしましょう。
もう一つ、予約時に特別なミール(ベジタリアンミールなど)を予約していた場合にはアップグレードしてもらえないことがあります。
自分も過去に経験したのですが、エバー航空(BR)に搭乗してアップグレードをしてもらえそう、と言う時に、元々ベジタリアンミールを予約していて、自分をアップグレードすると食事数が足りなくなるためアップグレードができない、と言われたことがあります。
特にエコノミークラスの場合は、用意されている食事数は搭乗客と同じになるように決まっているので問題となることがあるようです。
結局ちょっと交渉してアップグレードはしてもらったのですが、アップグレードを期待する場合には特別食のリクエストはしない方が良いでしょう。
自分はまだ、同アライアンス内でのインボランタリーアップグレードしか受けたことがありませんが、上級会員資格を持っていない航空会社であっても例えば独自に提携を結んでいる航空会社の上級会員資格をもって、アップグレード果敢に攻め込んでみようかと思います 🙂
それではまた来週!