フィンエアー(AY)とサウディア(SV)が導入「Offers and Orders」プラットフォームで航空券予約の在り方が変わる

フィンエアー(AY)は、アマデウス(1A)と提携し、従来の予約方法を刷新する”Offers and Orders”プラットフォームを立ち上げました。
現在はアイルランド市場でFinnair.comを通じて稼働しており、今後は市場ごとに段階的に展開される予定です。
どんなシステムなのか
この新システムは、IATA(国際航空運送協会)が提唱する「One Order」標準に基づいており、従来の予約記録(PNR)、航空券、その他の関連書類を統合し、ひとつの「オーダー」として管理することで、手続きの簡素化とリアルタイムの可視化を実現します。
AYはこの新技術を採用した最初の航空会社となり、初の「ネイティブ・オーダー」は今月、ヘルシンキ(HEL)からロンドン・ヒースロー(LHR)行きの便で予約されました。
この取り組みは、旅行者が航空券やホテル、送迎など複数のサービスを一括で管理できる『ショッピングバスケット』のような体験を航空業界にもたらすことが期待されています。
一方、サウジアラビアのサウディア(SV)もこの「Nevio」プラットフォームを活用し、より顧客本位のサービスを提供するためのシステム移行を開始しました。
従来のPNRを「オーダー」へ変換することで、購入履歴やサービス内容を統合的に把握し、価格設定の柔軟化や完全デジタル対応の実現が見込まれています。
「Offers and Orders」モデルの導入は、航空会社にとって単なる技術革新ではなく、ビジネスの根本的な見直しを伴う大規模な変革です。
これにより、航空会社は従来の「運賃中心の販売」から「体験重視の小売」へと移行し、顧客一人ひとりに合ったサービスや料金をリアルタイムで提供できるようになります。
たとえば、特定の顧客には座席指定や機内食、ラウンジアクセスなどを含めたバンドル商品を提案したり、過去の利用履歴をもとに関連サービスを自動的にレコメンドすることが可能になります。
こうした柔軟な販売スタイルは、LCCからフルサービスキャリアまで幅広い航空会社にとって競争力強化につながると期待されています。
一方で、このシステムの定着には時間がかかる見込みであり、既存の予約システムとの連携やスタッフの再教育、業務フローの再設計といった課題も少なくありません。
現在は一部市場でのテスト運用が中心ですが、今後数年かけて国際標準として普及していく可能性があります。
まとめ
両社は今後も1Aと連携し、航空業界における新たな小売・販売のあり方を模索していく方針です。
もともとAYもSVも、自社の基幹システムとして1Aを採用していたのですが従来の予約 -> 発券というプロセスを根底から変えるようなシステムになり得ます。
自分もこれまで、従来型の予約発券において業務を遂行して来たので、新しいプラットフォームについても勉強をしなければいけません。
日々研究ですね。