IAGグループがニキ航空を買収、ブエリング航空(VY)子会社に

2017年12月に運航を停止したニキ航空を、ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)やイベリア航空(IB)の親会社であるIAGが買収し、同じくIAGグループのブエリング航空(VY)の子会社として再出発することになりました。
以前はルフトハンザ・ドイツ航空(LH)の支援を受けていて、LH参加になるのかと思われていましたが、結果的にはIAG傘下となったようです。
この買収を少し掘り下げてみたいと思います。
日本人初のBoardingAreaオフィシャルブロガー PAR(PRIDEAUX-ANZAI Ryosuke / プリドー安斎亮介)です。
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ニキ航空とは
ニキ航空はオーストリアのLCCで、かつてはエア・ベルリン(AB)の子会社でした。
ABが2017年10月に運航を終了した後もニキ航空は運航を続けていました。
これは、ルフトハンザ・ドイツ航空(LH)が買収を目論んで、支援をしていたからです。
傘下のユーロウィングス(EW)の強化を目論んでいたようです。
IATAの2レターコードも”HG”というものがあったのですが、2017年12月14日を最後に運航自体がなくなっています。
2018/1/2現在、ニキ航空のホームページはLHグループの名前があり、IAGの名前はありません。
https://www.flyniki.com/en/start.php
今回の買収でIAGがまた大きくなる
ニキ航空がVYの子会社となったことで、VYはオーストリア、ドイツ、スイスあたりの路線に就航することになります。
VYはスペインの航空会社なので、カバーする範囲が増えることとなり、ひいてはBA/IBを含めたIAGグループのカバー範囲が広がることになります。
今まで手薄だったドイツ周辺のフライトをカバーできることになり、これらの場所でLHグループと対抗できるようになりました。
LHがもしニキ航空を買収していたとしたら重複だらけになってしまい、多くの解雇者が増えることになっていたでしょう。
欧州委員会もこの点を懸念して、LHグループのニキ航空買収を認めなかったようです。
システム的にはどうなのか?
ニキ航空はもともと、エア・ベルリン同様自社の予約システムとしてAmadeusを採用していました。
BAもIBもAmadeus。
VYも、Amadeusが買収したNavitaireというシステムを利用しています。
システム移行の親和性は高いと言えるでしょう。
これによって、ニキ航空のフライトでもAviosが貯まることになると思います。
ブエリング航空(VY)の新しいマイレージプログラムついに始動
まとめ
残念ながらニキ航空もVYもワンワールドメンバーではないので、ワンワールドのマイレージを獲得することはできません。
ワンワールドに開いた、エア・ベルリンの大きな穴を埋めるまでには至らないでしょう。
しかしながら、上述の通りAviosを獲得できる可能性は十分にあります。
もともとこの航空会社は、F1レーサーのNiki Laudaが設立した会社だったんですが、2011年にエア・ベルリンに買収され名前がそのまま残った、という経緯があります。
今回の買収で、「ニキ航空」という名前も変わるかもしれません。
新しい2レターコードも、どうなるんでしょうか?
これも楽しみですね 🙂