IHGは、新たなホテルブランドを追加しましたが、今回は完全に新規のブランドではなく、既に確立されたブランドの買収という形を取っています。
　
2025年2月現在IHGのブランド数は20ですが、これは40以上のブランドを展開するアコーや36のブランドを持つマリオットと比べると、比較的抑えられた数といえます。
　
IHGは今回、Rubyホテルブランドを1億1100万ユーロで買収しました。
　
Rubyは、「人氣都市の中心部に位置する、現代の旅行者向けのプレミアム・アーバン・ライフスタイル・ブランド」とされています。
　
このブランドは、IHGの「ホテル・インディゴ」よりやや下のカテゴリーに位置すると考えられます。
　
ホテル・インディゴは近年、より高級志向へとシフトしているため、Rubyは「ライフスタイル系ホテル」としてのポジションを維持しつつも、よりカジュアルな価格帯を狙う形になりそうです。

Rubyブランドの概要

Rubyは、ドイツ(9軒)をはじめ、オーストリア、スイス、イタリア、アイルランド、オランダ、イギリスなど、主にヨーロッパ各地に展開しています。
　
IHGによると、Rubyホテルは*洗練されながらもリラックスできる魅力を持ち、訪れる都市の文化やストーリーを反映したデザインを特徴とする」とされています。
　
Rubyのコンセプトである「Lean Luxury」には、以下の要素が含まれます。
– 快適なベッドとシャワーを重視し、宿泊客がしっかりとリラックスできる空間を提供
– 24時間営業のバーで、ユニークなカクテルを楽しめる
– 都市部に立地しながらも手頃な価格帯を実現
　
IHGにとって20番目のブランドとなるRubyは、ライフスタイル志向の現代の旅行者に訴求するとともに、ホテルオーナーにとっても効率的で柔軟な運営が可能なプレミアムブランドとされています。
　
特に、都市部のホテル市場は用地確保の難しさや高コストといった課題を抱えていますが、Rubyは省スペース設計とオペレーションの標準化・自動化(セルフチェックイン端末など)により、これらの課題に対応しています。
　
Rubyは、既存のオフィスビルをホテルに改装する戦略を強みにしています。
　
近年、リモートワークの普及や環境基準を満たせない古いオフィスビルの賃貸不振*進んでおり、この動きはさらに加速すると見られています。

Rubyブランド買収の特徴

IHGはRubyブランドを買収しましたが、既存の20軒のホテルの運営契約は引き継ぎません。
　
つまり、これらのホテルの収益は引き続き売り手側に入ることになります。
　
IHGは今後、新規にオープンするホテルについてのみ通常のフランチャイズ収入を受け取る形となります。
　
IHGは、売り手がRubyブランドのホテルをさらに開業するようインセンティブを用意しています。
　
具体的には、2030年と2035年に追加の支払い(最大1億8,100万ユーロ)が行われます。
　
ただし、これは売り手が開業する新規ホテルのみが対象であり、IHGが他のオペレーターと提携して開業するホテルは対象外となります。
　
IHG One Rewardsへの統合についての公式なスケジュールは発表されていません。
　
少なくとも6か月以上かかる可能性が高いと見られます。

まとめ

今年はIHG修行はお休みですが、せっかくラウンジアクセス権があるのでラウンジのあるホテルへできるだけ多く訪れたいと思っています。