上海のフェアモントがラッフルズにリブランドされます

アコーは現在「フェアモント・ピースホテル」として営業している上海の名門ホテルを、同社の最高級ブランド「ラッフルズ」にリブランドする計画を発表しました。
この歴史的建造物は、イギリスの実業家でありホテル経営者でもあったサー・ヴィクター・サスーンによって建設され、1929年に「キャセイホテル」として開業しました。
その後、1984年からは中国の錦江グループが所有し、2010年以降は「フェアモント・ピースホテル」として知られてきました。
ホテルは営業を継続しながら段階的に改修が行われ、2027年に「ラッフルズ・ピースホテル上海(Raffles Peace Hotel Shanghai)」として正式にリブランドされる予定です。
どのように生まれ変わるのか
現時点ではリニューアル後の詳細は多く明かされていませんが、アコーは「美術やデザイン、極上の料理、そしてオーダーメイドのサービスに彩られたエレガントな体験を、宿泊客および地域コミュニティに提供する」と述べています。
また、ホテルの刷新されたデザインは、「現代の上海のスピリットを体現しつつ、ホテルの栄光ある歴史を称え、国家重点文化財保護単位に指定されている貴重な遺産を保存する」ものになるとしています。
今回のリブランドにより、ラッフルズ・ピースホテル上海は、海南島・マカオ・深圳にある既存の中国国内ラッフルズ物件に加わることになります。
さらに、最近オープンした「ラッフルズ・セントーサ・シンガポール」や「ラッフルズ・ロンドン・アット・OWO」などと並び、世界的なラグジュアリー・ポートフォリオの一翼を担う予定です。
この動きは、アコーが中国市場における超高級ブランドの存在感をさらに強めようとしている戦略の一環であり、文化的遺産と現代的なラグジュアリー体験の融合をテーマとするラッフルズブランドの理念にも合致しています。
歴史ある建築を活かしながら、現代の旅行者の期待に応える新たなラグジュアリー空間へと再定義されることが期待されます。
さらにアコーは、上海新光科技発展グループとの提携のもと、ラグジュアリーブランド「ソフィテル」による都市型リゾートの開発も進めています。
この新しいホテル「ソフィテル上海サウス(Sofitel Shanghai South)」は、全293室を備え、黄浦江と、莊行鎮の保護森林を見渡すロケーションに建設される予定です。
アコーグループは中国市場において、単なるラグジュアリーホテルの展開にとどまらず、文化的・地理的要素を活かした多角的な高級滞在体験の創出に注力しています。
今回のラッフルズによる再ブランド化は、過去の歴史を尊重しつつ、洗練された現代的サービスを組み合わせた”新たなラグジュアリー”への進化です。
一方、ソフィテル上海サウスの開業計画は、都市部における自然との調和をテーマにした「アーバン・リゾート」という新しい価値提案を含んでおり、観光・ビジネス両面の需要を満たす拠点として期待されています。
まとめ
ラッフルズもフェアモントも、アコーの中では好きなホテルブランドです。
日本においてはまだその名前は浸透していないように思いますが、シンガポールのラッフルズに宿泊した際はさすがの対応でした。
上海のラッフルズは段階的にリブランドされている状態ではなく、正式にリブランドされた後に、訪れたいと思います。