ジェットスター・アジア(3K)が運航終了

シンガポールを拠点とする格安航空会社ジェットスター・アジア(3K)は、親会社であるカンタス・グループによる「戦略的再編」の一環として、2024年7月末をもって運航を終了します。
運航終了までの間、同社は段階的に運航本数を減らしながら、7月31日の最終便までフライトを継続する予定です。
運航終了の経緯
現在、3KはエアバスA320型機を13機保有しています。
カンタス航空(QF)は6月11日の発表で、3Kが直面している問題として「空港使用料の高騰、競争の激化、供給業者コストの倍増」などを挙げています。
これにより、「グループ内の中核市場と比べて同等の利益を確保することが難しくなった」として、3Kの継続的な事業運営が困難であると判断しました。
QFはこの撤退によって、約5億オーストラリアドル分の資本を再利用し、機材更新計画に充てるとしています。
3Kの13機のA320は、オーストラリアおよびニュージーランドに段階的に再配備され、ジェットスター・エアウェイズ(JQ)の運航を支援するほか、西オーストラリアの資源産業向け地域路線において古い機材の代替としても活用される予定です。
より収益性の高い分野やプロジェクト・サンライズのような戦略的成長施策に資本を優先的に再配分するようです。
今回の閉鎖は、シンガポール(SIN)発着の16のアジア域内路線のみに影響し、オーストラリア<->アジア間を結ぶJQの運航や、日本のジェットスター・ジャパン(GK)の運航には影響しません。
QFは、3Kの撤退後もシンガポールを「国際線ネットワークにおける重要拠点」と位置付けており、シンガポール・チャンギ空港(SIN)はQFにとって「国際空港として第3位の規模」を誇るとしています。
また、SINでは約20社のコードシェアおよびインターライン提携を通じ、アジア各都市への接続が可能です。
この決定により、総額1億7,500万オーストラリアドル相当の財務的影響が発生するとされており、その内訳は、退職金・再編コストなどの一時的費用、通貨換算損失や機材の評価損といった非現金項目が含まれます。
なお、3Kは2004年の就航開始以来、約20年間にわたり運航を続けてきました。
設立当初はシンガポール国内の3つのLCCの1つであり、2005年には同業のバリュエア(Valuair)と合併。これがアジアの格安航空業界における最初の大規模な統合事例とされ、業界の成長に一役買ってきました。
まとめ
3Kは、日本でもいくつか路線を運航しています。
関西(KIX) – マニラ(MNL)と、那覇(OKA) – シンガポール(SIN)です。
今回の運航終了であまり影響はないかもしれませんが、QF修行のルートがちょっと狭まってしまいました。
4時間以上のフライトをビジネスクラスシートなしのA320で運航するのはちょっときつかったのかもしれません。