ヒースロー空港は、ターミナルの利用状況に関する見直し結果を公表しました。
これに伴い、デルタ航空が共同事業パートナーであるヴァージン・アトランティック航空(VS)から別のターミナルへ移転するなど、計5社の航空会社がターミナルを変更することになります。
LHRは、現在の航空会社のターミナル配置が最大限に効率的であるかどうかを検証するため、「10年に一度」と位置づける見直し作業を進めてきました。
ターミナル移転を発表
現時点でのターミナル配置は、概ね以下のルールに基づいています。
ターミナル2:スターアライアンス
ターミナル3:ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)(補完用)、その他のワンワールド加盟各社、ヴァージン・アトランティック航空(VS)、デルタ航空(DL)、エミレーツ航空(EK)
ターミナル4:スカイチーム加盟各社、中東の各航空会社、一部のワンワールド加盟各社
ターミナル5:ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)、イベリア航空(IB)
ターミナル利用見直しで影響を受ける航空会社
この見直しプロセスは2023年から進められており、今年の夏には3回目の協議が行われました。
このたび結果がまとまり、空港側は5社の航空会社の移転を決定しました。
中国南方航空(CZ):ターミナル4 → ターミナル5
LATAM航空(LA):ターミナル3 → ターミナル2
DL、フィンエアー(AY)、日本航空(JL):ターミナル3 → ターミナル4
ターミナル3からは3社が退去する一方で、新たに入居する航空会社はありません。
これにより、ヒースロー空港内で最も古いターミナルである同ターミナルの混雑が緩和される見込みです。
ワンワールド(oneworld)加盟航空会社は引き続き3つのターミナルに分散して配置されることになります。
AYとJLはターミナル4へ移転し、同ターミナルにはカタール航空(QR)、マレーシア航空(MH)、オマーン・エア(WY)、ロイヤル・エア・モロッコ(AT)も集結します。
これにより、JL/AYに搭乗する際はLHRターミナル3の複数ワンワールドラウンジホッピングはできなくなります。
LHRのT4は、QRラウンジだけ。
一方、最も意外な動きとして、CZがターミナル5へ移転し、BAと同居する2社目の航空会社となります。
CZはワンワールドには加盟していませんが、BAとは共同事業(ジョイント・ベンチャー)およびコードシェア提携を結んでいます。
スターアライアンスには影響がなく、加盟航空会社がターミナル2から立ち退く必要はありません。
1日最大11便を運航するDLは、今回の移転で最も大きな影響を受ける航空会社です。
DLは今後、エールフランス航空(AF)およびKLMオランダ航空(KL)と共にターミナル4へ移転します。
その結果、VSはターミナル3に単独で残ることになります。
共同事業は独占禁止法規制の適用除外を受けており、航空会社間での運賃や運航スケジュールの調整が可能です。
今回の場合、アメリカとイギリス・ヨーロッパを結ぶ路線が対象となります。
これにより、各社は個別に競争するのではなく、収益を共有しながら一つの事業体として競争できるようになります。
DLがターミナル4に移れば、エールフランス航空やKLMオランダ航空との連携により、ヨーロッパ方面への乗り継ぎは改善されます。
ですが、VSが運航するアフリカやアジア方面の路線に乗り継ぐ乗客は、ターミナル間移動バスを利用しなければならず、乗り継ぎにかかる時間が増加することになります。
また、ターミナル4は公共交通機関の利便性という点でも劣ります。
ヒースロー・エクスプレスが直接乗り入れていないため、ターミナル2/3で下車し、エリザベス・ラインに乗り換えてターミナル4へ向かう必要があります。
ターミナル3において、アライアンスに加盟していない航空会社の中で最大規模なのがEKです。
EKのLHR発の年間座席数は100万人を超えており、デルタ航空の90万人を上回っています。
他の主要な中東系航空会社との兼ね合いを考えると、EKこそ移転の候補としてより妥当に思えるかもしれませんが、A380型機に対応した搭乗ゲートが必要であるという事情が、同社の移転を免れさせた可能性があります。
まとめ
VSの一部の乗客にとっては、プラスに働く可能性があります。
クラブハウスの利用者が減ることで、現在ターミナル3の「No1ラウンジ」を利用している一部の乗客(VS, DL, Flying Blue以外のスカイチーム・エリート・プラス会員など)が、再びクラブハウスを利用できるようになるかもしれないからです。
これらの変更は、2028年に実施される予定です。
