ビジネスクラスでもラウンジアクセスができない運賃がある航空会社

ビジネスクラスを利用する際、ラウンジの利用や座席指定は通常、当たり前のサービスと考えられています。
ですが、エミレーツ航空(EK)、カタール航空(QR)、フィンエアー(AY)など一部の航空会社では、これらの特典がすべてのビジネスクラス運賃に含まれなくなっています。
航空会社側は、「ビジネスクラスの特典を分割することで、必要最低限のサービスだけを求める顧客に対して、より手頃な価格で提供できる」と説明しています。
ベーシックビジネスクラス運賃で受けられるサービス
通常、ビジネスクラスではラウンジの利用や座席指定などが含まれていますが、最近では一部の航空会社でそうした特典が省かれた「ベーシック運賃」が導入されています。
Google フライトなどの検索サイトで最初に表示される価格が安く見えるように設定されているため、つい目を引かれるものの、後からラウンジアクセスや座席指定、送迎サービスなどの追加料金が必要になる場合があります。
また、こうしたチケットは変更やアップグレードができないことも。
特典を制限したビジネスクラスを提供する航空会社
最も簡素なビジネスクラスを提供しているのは、日本のLCCであるZIPAIR(ZG)です。
同社の「フルフラット」運賃では、リクライニングできるベッドシート以外は基本的にすべてオプション扱いとなります。
ただし、EK、QR、AYなどのフルサービスキャリアでは、こうした「ベーシック運賃」でも機内でのサービス自体は標準のビジネスクラスと変わらないことが多いです。
その代わり、地上での特典や柔軟な予約条件が制限されます。
| 航空会社 | 運賃種別 | 除外される特典 |
|———-|———–|—————-|
| エミレーツ航空(EK) | Business Special | 48時間前まで座席指定不可、ラウンジ利用不可、送迎サービスなし、ファーストクラスへのアップグレード不可、キャンセル不可 |
| エールフランス(AF)/KLM(KL) | Business Light | ラウンジ利用不可、事前座席指定不可、キャンセル不可、AF便はアップグレード不可 |
| フィンエアー(AY) | Business Light | キャンセル・変更不可、受託手荷物なし(機内持込12kgまで)、ラウンジ不可、座席指定不可、優先チェックイン・搭乗なし |
| カタール航空(QR) | Business Lite | ラウンジ利用不可、座席指定不可、変更不可 |
| エティハド航空(EY) | Business Value | キャンセル不可、事前座席指定不可、ラウンジ不可、送迎なし |
※全ての路線で提供されているわけではありません
実際にどれくらい安くなるのか
運賃によっては、かなりの割引が受けられます。
たとえば、EKのロサンゼルス(LAX) – ドバイ(DXB)間の往復では、「Special」運賃で「Saver」運賃より片道約JPY100,000安くなることがあります。
ただし、KLのように運賃差がわずかしかないケースもあります。
ビジネスクラスでも座席指定に追加料金が必要な航空会社
ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)やイベリア航空(IB)では、「ベーシック運賃」はないものの、一部のビジネスクラスチケットで座席指定に料金がかかる場合があります。
また、AF、KL、QR、AYも、上から2番目に安い運賃で座席指定が有料になることがあります。
ルフトハンザ・ドイツ航空(LH)やスイスインターナショナルエアラインズ(LX)も、新しい「アレグリス」キャビンでは多くの座席に追加料金が設定されています。
ステータス保有者なら特典制限を回避可能
ステータスを持っていれば、座席指定やラウンジ利用など、ベーシック運賃でも多くのビジネスクラス特典を受けることができます。
ただし、チケットの変更やキャンセルといった柔軟性まではカバーされません。
ステータスがなくても、プライオリティ・パスや、有料でのラウンジ利用を通じて空港ラウンジにアクセスすることは可能です。
まとめ
ベーシック運賃のビジネスクラスが出てきても、ステータスがあれば大丈夫です。
そのためのステータスだと思っていますが、ステータスを持っていても自社の上級会員でないと座席指定が無料にはならない(特にスターアライアンス)といったケースがありますので、どうぞご注意を。