ライフタイムステータスの制度があるホテルチェーン

ホテルの上級会員ステータスは、そのプログラムやステータスのレベルによって価値が大きく異なります。
人によって評価もさまざまですが、一般的には「持っていたほうが得」とされており、毎年ステータス維持のために努力を重ねる人も多くいます。
毎年のステータス更新が不要だったら
いくつかのホテルリワードプログラムでは、「ライフタイムステータス」という仕組みを用意しており、特定の条件を満たすことで、以後ステータスの再取得を心配する必要がなくなります。
ただし、その道のりは決して簡単ではありません。
ライフタイムステータスとは
「ライフタイム」という言葉から、「一生涯ステータスが保持される」と思いがちですが、実際にはそう単純な話ではありません。
多くの人が勘違いしますが、ライフタイムステータスとは「プログラムの存続期間中」という意味であり、「会員本人の生涯」とは限りません。
たとえばアメリカン航空(AA)の「Million Milerプログラム」では、「AAプラチナおよびゴールドのライフタイムステータスは、AAdvantageプログラムが存在する限り、年間の実績に関係なく、特典と認知を受け続けられます」と定義されています。
つまり、プログラムが終了すればライフタイムステータスも終了する可能性があるのです。
これはAAに限った話ではなく、すべての主要なライフタイムステータス提供プログラムに共通する「逃げ道」です。
ヒルトンは、「ライフタイム・ダイヤモンドステータスは当社の裁量で付与・変更・終了される場合があります(通知・補償なしで)」という感じでステータスの権利を留保しています。
つまり、ライフタイムステータスに絶対の保証はないという点を覚えておきましょう。
ライフタイム上級会員ステータスを提供しているホテルプログラム
2025年7月現在、ライフタイムステータスを公式に提供している主要ホテルプログラムは以下の3つです。
* ヒルトン・オナーズ
* ワールド オブ ハイアット
* マリオット・ボンヴォイ
ヒルトン・オナーズ : ライフタイム・ダイヤモンドステータス
ヒルトンでは、ライフタイムステータスの対象は最上位「ダイヤモンド」のみです。
取得条件 :
* ダイヤモンドステータスの保持歴10年以上(連続でなくてもOK)
* 1,000泊の滞在、または2,000,000ベースポイントの獲得
特典宿泊も1,000泊にカウントされます。
ただし、オンラインでの進捗確認はできず、カスタマーサポートへの問い合わせが必要です。
なお、アメリカのクレジットカード「ヒルトン・アメックス・アスパイアカード」を保有していれば、持っているだけでダイヤモンドステータスが付与されます(条件あり)。
これも一種のライフタイムステータスといえるかもしれません。
ワールド オブ ハイアット : ライフタイム・グローバリストステータス
ハイアットもヒルトン同様、ライフタイムステータスの対象は「グローバリスト」のみです。
取得条件 :
* 累計100万ベースポイントの獲得
USD1あたり5ポイントが基本のため、ライフタイムステータスにはUSD200,000(約3,200万円)の宿泊実績が必要です。
なお、オンラインではライフタイムベースポイントの表示がなく、毎月の明細または電話での問い合わせが必要です。
マリオット・ボンヴォイ : 3段階
マリオットは他社と異なり、シルバー/ゴールド/プラチナの3段階でライフタイムステータスを提供しています。
必要条件 :
* ライフタイム・シルバー : 250泊 + エリートステータス5年(任意のレベル)
* ライフタイム・ゴールド : 400泊 + ゴールド以上のステータス5年
* ライフタイム・プラチナ : 600泊 + プラチナ以上のステータス10年
クレジットカードによる宿泊実績や、会議・イベントでの滞在もカウント対象になります。
まとめ
2025年7月時点でライフタイムステータスを提供するのは3社のみで、そのほとんどが最上級ステータスに限られています。
取得には相応の費用と時間が必要です。
クレジットカードによって上級会員資格を得られる方法もあるため、ライフタイムステータスを目指す前に、他の選択肢を比較検討しても良いでしょう。
「ライフタイム」という響きは魅力的ですが、実際には維持の保証がないため、慎重な判断が求められます。
自分はホテルに関しては現在、アコーに殆ど寄せています。
元々ライフタイムステータスがない掛け捨て型のステータスなのですが、宿泊実績をもって招待制のステータス「リミットレス」へ招待されるようなので、一度は体験してみたいです。