IHGのポイント販売戦略
先日、インターコンチネンタルホテルズグループPLCの決算発表がありました。
その中に、IHGワンリワードポイントの戦略に関する興味深い開示がありました。
IHGの決算発表の中を紹介します。
日本人初のBoardingAreaオフィシャルブロガー PAR@Seasoned Travellerです。
IHGのポイント戦略
IHGは、自社の顧客に報酬を与えるため、第三者へのポイント販売をより積極的に行うつもりのようです。
関連する発表として、IHGはリワード・ナイトの交換を受け入れるためにホテルに支払う金額も増やしています。
これは、ホテルが契約以上の客室を用意してくれることを意味します。
例えばホリデイ・インに宿泊すると、ホテルのオーナーは2種類の料金をIHGに支払うことになります。
一つ目は、ブランド使用料(IHGによると、これは通常5%から6%)。
これは、ほぼ純粋な利益です。
もう一つが、「システムファンド」料金。
ブランドオーナー(つまりIHG)に支払われる他のすべてのお金(マーケティング、ロイヤルティプログラムの資金、ウェブサイト開発など)は、収支均衡ベースで行われているようです。
これらの支払用途が明確になっているのでIHGは利益を得ることはできず、ホテル側は資金の使途を確認することができるようになっています。
ホテルは、リンク先のビデオ(綺麗な英語です)にあるように、IHG One Rewardsを賄うために報酬対象収入の4.75%、一般支出に対して客室収入の3%を支払います。
このシステムファンドは、2023年だけで16億ドルがIHGのシステムファンドに支払われました。
ポイント販売との関係
これまで、IHGがIHG One Rewardsのポイントを外部に販売する場合、それがクレジットカードの提携先であれ、宿泊客に直接販売する場合であれ、あるいはハーツなどの提携先であれ、その代金はすべて「システム資金」に充てられていました。
これが今、変わりつつあります。
IHGはホテルのオーナーから、第三者へのポイント売却で利益を得る許可を得ています。
例えば、100%ボーナスプロモーションでは、IHGポイントを1ポイントJPY0.8くらいで購入できます。
このお金はすべてシステムファンドに投入されていました。
今後、IHGはシステムファンドから設定価格(例えばJPY0.5)でポイントを購入し、残りを利益として保有します。
IHGは現在、ポイント付与のためにサードパーティとより多くの取引を行うインセンティブを強く持っています。
なぜホテルオーナーはこれに同意したのか。
結局のところ、システム・ファンドの資金が減るということは、マーケティングなどのための資金が減るということだからです。
そのため新しい取引の一環として、ホテルオーナーがIHGワンリワードのためにシステムファンドに支払う金額を減らすことにしました。
IHGは、第三者へのポイント販売からシステムファンドに投入する資金を減らします。
ホテルのオーナーは、あなたがホテルに宿泊した際のロイヤリティ特典のためにシステム基金に入れるお金を減らすことになります。
ホテルオーナーは、リワード・ナイトを受け入れる際、より多くの報酬を得ることになります。
IHGはどうやら、サードパーティのポイント売上の一定割合を自社の利益のためにポケットに入れる最初の大手ホテルグループであるようです。
他の大手ホテル・グループも追随することが予想されますね。
まとめ
システム開発に割く予算が減るということは、影響の小さなシステムエラーは見逃される確率が高い、ということです。
システムのループホールも、塞がれるのに時間がかかる、ということになるでしょう。
穴が結構あるIHGのシステム、これからもまだまだ突っつくことができそうです。
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