ビジネススイートクラスを提供している航空会社

航空会社は、機内スペースを最大限に活用して収益を高めるため、座席をできる限り詰め込んだり、細かく商品を差別化して追加料金を取るなど、さまざまな工夫を凝らしています。
その一環として、近年ではビジネスクラス内でさらに上位の座席「プレミアム・ビジネスクラス」を導入する動きが広がっています。
多くのビジネスクラス座席は、前の座席の脇のスペースを活用してコンパクトに配置されており、そのため足元のスペースが狭くなっていることも珍しくありません。
ですが、最前列の座席は前方に座席がないため、このレイアウトが通用しません。
その分スペースに余裕があるため、航空会社はこの場所をより広く、特別感のある座席として販売し始めたのです。
中にはアメニティやサービス内容をアップグレードする航空会社もあり、差別化の方法はさまざまです。
代表的な「プレミアムビジネスクラス」導入例
以下に、実際にこうした上位座席を提供している航空会社とその特徴を紹介します。
ヴァージン・アトランティック航空(VS)「リトリート・スイート」(A330-900neo)
* 対面で食事ができる大型オットマン、27インチの画面、フルフラット時の長さが6フィート7インチなど、広さと快適性が魅力。
* ソフトサービスの差はなし。
* 費用は片道約£300から。
ルフトハンザ・ドイツ航空(LH)「アレグリス・ファーストロウ・スイート」(A350-900)
* ドア付き個室仕様で、実質ファーストクラスのような快適性。上質な寝具、パジャマ付き。
* 価格は€400〜€600。
ニュージーランド航空(NZ)「ビジネス・プレミア・リュクス」(B787-9)
* ドア付き個室、オットマンはベンチにも。特製スローなどの追加アメニティあり。
* 有料指定 : NZD250〜820。
マレーシア航空「ビジネス・スイート」(A350-900)
* かつてはファーストクラスとして販売されていた広い個室。ラウンジや機内食も上位仕様。
* 通常のビジネスクラスとは別枠の販売。
アシアナ航空「ビジネス・スイート」)A380)
* ファーストクラスをリブランディング。下層階前方に位置し、広々とした個室で提供。
* 地上サービスや寝具もビジネスクラスより上。
ただし、近距離線で運航の場合はパジャマの提供はありません。
オマーン・エア(WY)「ビジネス・スタジオ」(B787-9)
* 元ファーストクラスの設備を引き継いだビジネスクラス上位座席。Wi-Fi無料などの特典あり。
* 通常とは別商品として販売。
ITAエアウェイズ(AZ)(A321neo)
* 最前列の1-1席が特に広く「エクストラスペース・シート」として有料指定可能(約\$100)。
* ソフト面の違いはなし。
中国東方航空(MU)(A350-900)/上海航空(FM)(B787-9)
* 最前列の座席は「ラグジュアリー・ビジネスクラス」として差別化。大型モニターや広い足元が特徴。
まとめ
ビジネスクラスの質が向上する中で、「ビジネスクラス内のさらに上位座席」という考え方は今後も広がる見込みです。
今回紹介したような座席は、限られたスペースを最大限に活用する新たな収益源として、航空会社の新たな戦略の一部となっています。
一方で、OZやWYのように元々ファーストクラスとして販売されていた座席をプレミアムビジネスクラスとして販売する航空会社も今後増えてくると予想しています。
ファーストクラスが少なくなるのは、残念なことですね。