なぜ指定された座席に座る必要があるのか

小型機で、特定の座席に座らなければならないと言われたことはないでしょうか。
特にリージョナル路線や島嶼部の小型機では、座席が割り当てられる前に乗客の体重が推定されています。
たまに空席に座ろうとする自由奔放な乗客がいるのを除けば、通常は全員が自分で選んだか航空会社から配布された指定席に座り、過ごします。
時々、乗務員が全員に指定された座席に座るように指示することがあるが、なぜなのでしょうか。
その謎に迫ります。
日本人初のBoardingAreaオフィシャルブロガー PAR@Seasoned Travellerです。
座席を指定させられる理由
航空会社には誰がどこに座っているかを示す表があります。
これは、緊急時に役立つ情報だからだと考えている人もいるかもしれません。
ですがそうではなく、特に軽量の航空機では、飛行機が地面を離れる前に人間の体重分布が考慮され、座席指定がその役割を果たすことになります。
これは、機体のバランスが常に保たれ、飛行中の機体の安定性に不均等な体重分布が影響しないようにするために行われるものです。
重要なバランス感覚
全員が正しい座席に座っているかどうかは、航空機の「重心エンベロープ」(COG)に関係しているそうです。
すべての航空機にはメーカーが計算したCOGエンベロープが設定されているため、運航者は離陸前に追加する総重量がこのパラメーターを超えないようにしなければいけません。
もちろん、燃料と荷物でいっぱいの巨大なワイドボディ機で、一人の乗客が数列上下に移動しても、離陸に問題が生じることはまずありません。
ですが、COGが前方または後方にありすぎる航空機は、確かにコントロールが比較的難しかったり、より多くの燃料を必要とする可能性があります。
燃料、荷物、乗客がすべて計算されると、それらの重量の正確な分布に基づいてCOGの位置を決定する計算が始まります。
パイロットは、離陸推力や速度に影響を与えるこの重要な情報を含む「ロードシート」と呼ばれるものを受け取ります。
乗客の配分は着陸時にも同様に重要です。
着陸する航空機は、飛行中に燃料を大量に消費したため、離陸したときよりもかなり軽くなっています。
乗客が割り当てられた座席から別の座席に移動する場合、フライトの終わりには航空機の重心が変わっていることになります。
そのため、やはり飛行が地面を離れる前に、人間の体重配分に基づいて着陸時の重心位置の推定が計算されます。
特に着陸の場合、重量がほとんどなくなるため、貨物や乗客の影響が飛行特性に大きく影響するようになります。
あるフライトの最後の区間で乗客が自由に動き回ることができ、平均的な体重の旅行者10人が機内持ち込み可能な荷物を持って端から端まで移動したとすると、数百キログラムの重量が移動することになる。航空機のタイプによっては、これは重大でな影響をあたえることになります。
そのため、航空会社は乗客が離着陸前に決められた座席に座っていることを確認するのです。
航空会社が直前に座席を変更することがあるのは、このような理由によるものです。
まとめ
大型機ではそんなに影響することはないかもしれませんが、小型機では決められた席に座ることが重要、ということですね。
J-AIRによく乗る自分も、もしかしたら影響があるかもしれません。
客室乗務員の言うことは、しっかりと聞きましょう。