インディゴ(6E)がデルタ航空(DL), エールフランス航空(AF)などと提携強化

インディゴ(6E)、エールフランス航空(AF)/KLMオランダ航空(KL)、デルタ航空(DL)、ヴァージン・アトランティック航空(VS)の4社は、インドとヨーロッパ、北米をつなぐ新たな提携関係の構築を発表しました。
将来的には世界的なスケールへの拡大を目指しています。背景を理解するために、いくつか押さえておきたいポイントがあります。
提携概要
DL、AF/KL、VSの3社はすでに緊密に連携しており、トランスアトランティック共同事業に属しています。
DLはAF/KLとVSに出資もしています。
6Eはインド最大の航空会社で、これまでは主に国内・近距離路線に注力していましたが、現在は長距離国際線にも進出し始めています。
6EはすでにAF, KL, VSと提携しています。
今回新たに加わるのはDLとの提携であり、またグループ全体としての戦略的な連携強化が特徴です。
提携の主旨は次のように説明されています。
世界でも特に成長の速い航空市場であるインドを中心に据えたこの協力体制では、6Eの広範な国内路線網と、DLの北米・大西洋路線、AF/KLのヨーロッパ・北米ネットワーク、VSのイギリスおよび大西洋横断の強みを結び付け、より広範なアクセス、快適な移動、そして一貫した旅の体験を提供します。米国、カナダ、ヨーロッパ、インドの多数の都市を結び、国際旅行需要の拡大に応えるとともに、グローバルな航空連携の新たな基準を打ち立てることを目指します。
6Eは今後、ノース・アトランティック航空(N0)のボーイング787をリースしヨーロッパ便を開始する予定で、将来的には自社発注のエアバスA350の運用も計画しています。
こうした背景から、国際的な提携の価値はより高まっています。
商業契約の締結と規制当局の承認が得られ次第、6Eはパートナー各社の便を自社便名「6E」で販売できるようになります。
これにより、6E利用者は以下のようなヨーロッパ・北米行きの国際便へのスムーズな乗り継ぎが可能になります。
* アムステルダム(AMS)発、KLによるヨーロッパ30都市以上へのフライト
* AMS経由でのDLおよびKLによる北米路線
* VSによるマンチェスター(MAN)発のアメリカ路線
また、DLは将来的にアトランタ(ATL) – デリー(DEL)間の直行便も開始予定ですが、これは別途詳細が発表される見込みです。
現時点で発表されたのは、あくまで提携の第一歩にすぎません。
この提携では、ネットワーク、マイレージプログラム、貨物輸送、販売などの分野で商業的な協力を深める枠組みが設けられます。
さらに、航空機の整備、持続可能性、訓練、地上業務などの非商業的な分野でも連携が図られます。
インドは今や世界的に見ても極めて重要な航空市場です。
これまでは、ユナイテッド航空(UA)とエア・インディア(AI)が有利な立場にあると見られてきました。
両社ともスターアライアンスに所属しており、AIはインドでもっとも国際的な航空会社です。
一方、UAはアメリカの中でインド路線を最も多く持つ航空会社です。
にもかかわらず、この2社の間に深い協力関係は築かれていませんでした。
ジョイントベンチャーもなく、UAはAIとの乗り継ぎを避けていたほどです。
これはAIのサービス品質に起因する部分もあります。
これまで6Eは長距離国際便やビジネスクラスを持たず、海外航空会社との連携は限定的でした。
しかし、今やそれらが変わりつつあり、提携の価値は飛躍的に高まっています。
なお、アメリカン航空(AA)も2022年から6Eと提携しており、コードシェアも実施中です。
ただし、6Eが複数の航空会社と提携することに支障はないと見られます。
まとめ
6Eが本格的なグローバル航空会社として成長していく中で、この提携がどう発展していくのかは今後の動向にかかっています。
成熟には数年かかると見られますが、将来的にインド市場で最も重要な国際提携の一つになる可能性もあります。
DLが得意とするのは、出資を伴うような密接な提携関係の構築です。
現時点ではそのような計画は発表されていませんが、将来的には出資も視野に入るかもしれません。
そして、6Eのスカイチーム入り、なんていうことも将来的にはあり得る話だと思います。
とりあえず、準備だけしておきます。