アラスカ航空(AS)がハワイアン航空(HA)を買収。マイレージプログラムはどうなるのか
ハワイアン航空(HA)は、19億ドルでアラスカ航空(AS)の傘下に入り、HAはワンワールド・アライアンスの一員となる予定です。
2025年半ばまでに完全実施される見込みの買収計画では、ASとHAは、シアトル(SEA)とホノルル(HNL)にそれぞれのハブ空港を持つ別々のブランドとして運営を継続しますが、ビジネス面では「単一の運航プラットフォーム」です。
2023年の大きなニュースであるこの買収、マイレージプログラムはどうなるのでしょうか。
日本人初のBoardingAreaオフィシャルブロガー PAR@Seasoned Travellerです。
買収の背景
ホノルル(HNL)はアラスカ航空(AS)の重要なハブ空港となり、ハワイを経由するワンストップサービスにより、アジア太平洋地域全体を通して西海岸の旅行者の国際的な接続性を高めることができます。
ASの高付加価値・低運賃オプションと、HAの国際線・長距離路線商品との選択の幅が広がります。
HAは、2020年大流行以来苦境に立たされており、2023年も年間損失を計上する見込みです。
ASは、買収にはハワイアン航空の負債9億ドルの補填も含まれるとしています。
ASは、単通路ジェット機を保有し、主にアメリカ国内線または北米のネットワークを維持する一方、HAはアメリカ本土とアジアおよび南太平洋を結び、2024年初頭から12機のボーイング787ドリームライナーの納入を予定しています。
両航空会社の「補完的ネットワーク」は、毎年ほぼ5500万人の旅客を運び、重複する路線は3%未満となっています。
HAはワンワールド・アライアンスに加盟するのか
ASのマイレージプログラムは、HAのマイレージプログラムに取って代わり、ASの会員数を推定1,120万人にまで増やすことになります。
HAのゴールドおよびプラチナメンバーをASのMVPゴールド会員に合わせることを含め、HAマイレージプログラムが保有するステータスおよびマイルはASマイレージプログラムに移行されます。
これによりHAが、ASの傘下として事実上加盟する、あるいは正式に加盟することで、ワンワールド・アライアンスの一員となる道筋ができる可能性もあります。
これには3つの可能性があります。
・ASのスポンサーのもと、HAがワンワールド・アライアンスの正会員になる
・フィジー航空(FJ)と同じように、ワンワールド・コネクト・メンバーになる
・ワンワールド・アライアンスに加盟しないが、HAの乗客はASでステータス特典を受け、ASのマイレージプラン会員資格を利用してワンワールド・アライアンス加盟航空会社のフライトを利用する
ASは2021年3月に加盟したワンワールド・アライアンスで最も新しい加盟航空会社で、2024年にはオマーン航空(WY)も加盟する予定です。
この買収により、ヴァージン・オーストラリア(VA)はHAとの提携を失うことになりますが、ワンワールド・アライアンスの独占が常に適用されるわけではなく、カタール航空(QR)はカンタス航空(QR)とVAのパートナーです。
HAマイレージの価値が高まる?
HAのマイレージはニッチなマイレージプログラムです。
HAマイレージはマリオット・ボンボイと提携し、ポイントの移行が可能ですが、ほとんどの旅行者はハワイ旅行やプレミアムキャビンへのアップグレードにしかこのプログラムの価値を見出せないでしょう。
ASがHAマイレージをどのように統合するのかは、明らかにはなっていません。
HAのマイレージプログラム最上級のハワイアン・プアラニ・プラチナ・エリート・ステータスを獲得するには、年間40,000マイルで良く、ASのMVPゴールド100Kステータスに必要な100,000マイルとは雲泥の差です。
AS、グローバル展開を拡大
長年にわたり、ASはマイレージプランを使って、旅行者を自社の経済圏に引き込もうとしています。
アメリカ西海岸の航空会社であるにもかかわらず、世界中に29の提携航空会社を持ち、多くの航空会社でマイレージの獲得と予約を可能にしています。
HAの買収は、ASを頻繁に利用する航空会社以外の人にとっても、魅力的に映るかもしれません。
まとめ
ASとHAが利用している自社の予約システム(GDS)は、Sabreです。
そのため、システムの統合自体はすんなりいくでしょう。
ASがどの選択肢を選んだとしても、マイレージプラン会員は以前よりも多くの座席や特典を利用できるようになります。
ASが買収の一環として、特典チャートの縮小やポイント価値の変更を行わないことを祈りたいです。
今一番有効な、スターラックス航空(JX)との提携も、しばらく続けてほしいですね。
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