エコノミークラスよりもビジネスクラスの方が安い?
PAR(PRIDEAUX-ANZAI Ryosuke / プリドー安斎亮介)です。
あなたは、インターネットなどで航空券を予約する際、ビジネスクラスなのにエコノミークラスより安い料金が表示されている!というのを見たことがあるでしょうか?
通常は、ビジネスクラスの方がエコノミークラスよりも高い料金が設定されています。
ですが、たまにビジネスクラスの方が安い、ということが実際にあるんです。
そのからくりを、説明します。
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そんなことあるの?
エコノミークラスより、ビジネスクラスの方が料金が安いなんて、そもそもあり得るんでしょうか。
はい、あり得ます。
エコノミークラスの中でも運賃が細かく分かれているんですが、その多くはルール(運賃規則)によって料金が分かれています。
例えば、
めちゃくちゃ安いけど変更・キャンセルができません
とか、
すごく高いけど変更・キャンセルが自由で、他社の振替便利用も可能です
とか。
で、後者の運賃は自由度が高い分料金も高めに設定されています。
ブッキングクラスでいうと、Yクラスとかがこれに該当します。
航空会社の運賃は、様々なブッキングクラスと様々なシーズナリティ(予約日がいつからいつまでの予約に適用)の組み合わせで成り立っているので、そのパターンはとても膨大な量に上ります。
そして、その運賃の設定は人がシステムを使って造成しているので、エコノミー <-> ビジネスの間の料金も完璧にチェックができず、このような現象が起こる訳ですね。
なので、エコノミークラスより、ビジネスクラスの方が料金が安いことは結構頻繁に起こり得るものなんです。
具体例をいくつか
では実際に、エコノミークラスより、ビジネスクラスの方が料金が安い例をいくつか挙げてみましょう。
エティハド航空(EY)
成田(NRT) – ドバイ(XNB)
まずはエコノミークラス。
下の方に、2回乗り換えの高い運賃が表示されています。
続いて、ビジネスクラス。
エコノミークラスの高い運賃よりも安い価格で、ビジネスクラスに搭乗できます。
なお、ドバイといえばOllieさん、というくらい充実したサイトを展開されているコミュニティの共同管理人Ollieさんの中東航空会社に関する記事はこちらです。
アリタリア航空(AZ)
成田(NRT) – ヴェネチア(VCE)
ビジネスクラスではありませんが、プレミアムエコノミークラスの方がエコノミークラスの高いクラスより安くなっています。
バンコクエアウェイズ(PG)
バンコク(BKK) – プノンペン(PNH)
こちらも、エコノミークラスよりビジネスクラスの方が安くなっています。
LATAM航空(LA), LATAMブラジル航空(JJ)
サンチアゴ(SCL) – サンパウロ(GRU)
こちらも、プレミアムエコノミークラスの方が安いケースがあります。
ベトナム航空(VN)
成田(NRT) – クアラルンプール(KUL)
エコノミークラスよりビジネスクラスの方が安くなっています。
ていうか、VNのエコノミーはLCC並みに安いですね!
スカイチームメンバーなので、自分の修行にはあまり関係ないのが残念です・・・。
エールフランス航空(AF)
東京(TYO) – マルセイユ(MRS)
オマケみたいなもんですが、あのAFでも、エコノミークラスとプレミアムエコノミークラスの価格がそこまで変わらないケースもあります。
URLから航空会社の予約システムを知る
ちなみに、料金の比較は自社予約システム(GDS)としてSabreを利用している航空会社だと、様々な料金体系が表示されていてわかりやすいです。
自社予約システム(GDS)としてSabreを利用している航空会社は、
となっています。
※As of 01JUN17
このうち、上記で紹介した
・EY
・AZ
・VN
・LA
・PG
はいずれも、Sabreを利用している航空会社です。
そして、
・EY
・VN
・PG
・WY
については、予約サイトのURLの一部に
SSW2010/XXXX/webqtrip.html
という文字列が含まれています。
XXXXの部分は、航空会社のコードが入るのですが、例えばEYだったら、
https://wl-prod.sabresonicweb.com/SSW2010/EYEY/webqtrip.html?execution=e1s1
WYだったら
https://booking.omanair.com/SSW2010/WYWY/webqtrip.html?execution=e1s1
という具合ですね。
このことで、自前で予約システムを開発するのではなく、Sabreから提供されているデフォルトの予約システムでコストダウンを図っている会社がまるわかりです^^;
この事実を知って何かで悪用することができるかどうかは不明ですが、この文字列を見たら、
あ、この航空会社はSabreなんだな、
ということがわかり、
eチケット控えとかはVirtually Thereを使えば見れるんだな、
ということがわかります。
(旅行代理店などで作成された予約は除きます)
・・・以上、GDS的な知識でした 😀
まとめ
エコノミークラスとビジネスクラスでは、マイレージの積算率がだいぶ違います。
例えば、エコノミークラスはいくら高い料金でも積算率は100%なのに対してビジネスクラスは安くても125%加算されることがあります。
となると、絶対ビジネスクラスに乗った方がお得ですね。
エコノミークラスの高いクラスに乗らなければいけない、というケースはそうないと思いますが、例えば会社の出張規定などでエコノミークラスじゃないとだめ、なんていうことは結構あると思います。
そして、高いエコノミークラスしか空いてなくて、それより安いビジネスクラスがあるにもかかわらず、エコノミークラスに乗らなければいけない、というおかしなルールがある会社もあるそうです。
ビジネスクラスより高いお金を出して、何が楽しくて狭い座席で、格安で購入した搭乗客と一緒の食事をしなければいけないんでしょう^^;
会社の規定とはいえ、ちょっとかわいそうです。
そんな時は、無理やりでもビジネスクラスに乗れるよう、この記事を参考にして決裁者にビジネスクラスの価格を見せてやりましょう 🙂
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