エールフランス航空(AF)、KLMオランダ航空(KL)、ヴァージン・アトランティック航空(VS)、デルタ航空(DL) 4社のジョイントベンチャーを設立
エールフランス航空(AF)、KLMオランダ航空(KL)、ヴァージン・アトランティック航空(VS)、デルタ航空(DL) 4社によるのジョイントベンチャー設立のニュースが舞い込んできました。
期待と同時に、不安もあります。
このニュースを
からそれぞれ、解説します。
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相互が相互の株式を保有する
今回のジョイントベンチャー(JV)の概要ですが、
・AF/KLが、VSの31%の株式を取得。49%の株式を保有するデルタに次ぐ第2位株主になる
・VSのブランドはそのまま
・AF/KLは新たに株式を発行し、DLが10%、中国東方航空(MU)が10%それぞれ取得する
・AFとMUの連携強化
という感じです。
元々DLは、MUの株式を3.2%保有していて、DLは直接的にも間接的にもAF, KLに関与するようになります。
これで、DLがVSに関しての筆頭株主となり、VSは実質DLのものになりました。
航空連合的な視点
DL, AF, KLはスカイチームメンバー、VSはどこのアライアンスにも属していません。
今回のJV設立で、スカイチームの中のDLの存在感が大きくなったような気がします。
DLは少し前に、ジェットエアウェイズ(9W)との提携を強化しましたが、
この提携強化により9Wはスターアライアンスメンバーの4社と提携を解消しました。
VSは一方で、スターアライアンスのメンバーとも結構提携をしているのですが、9Wの時みたいに一気にスターアライアンスメンバーと提携解消、なんていうこともあるかもしれません。
そんなことが起こったらそれは間違いなく、DLの方針でしょう。
スカイチームの中でDLの発言力が大きくなり、準備が整ったらVSと9Wのスカイチーム同時加盟、なんていうこともあるかもしれませんね。
マイレージ的な視点
今回の提携で、VSとスカイチームの3社間でのマイレージの相互利用ができるようになります。
以前からDLフライトでVSマイレージを貯めることはできましたが、これからはAF/KLのフライトでVSマイレージを貯めることができるようになり、また逆にVSフライトでAF/KLマイレージを貯めることができるようになります。
個人的には、マイレージを獲得する選択肢が広がるのはいいことだと思いますが、必要マイレージ数がどのようになるのかは注目したいですね。
ただし、DL, AF/KLをはじめとするスカイチームメンバーのマイレージプログラムは、概して使いにくいのが特徴です。
もしVSがスカイチームに加盟することになったとしたら、使い勝手が悪いものになってしまうでしょう。
一つだけ言えるのは、「VSマイレージの改悪をしないでください!」ということです^^;
システム的な視点
各航空会社が利用している自社基幹システムですが、
・AF, KL : アマデウス
・DL, VS : AIR4
となっていて、AIR4はDLが独自に開発したシステムで、それをベースにVSにも移植したような感じです。
なのでDL <-> VS間のシステム的な連携もスムーズですし、AF, KLはどちらもアマデウスを利用しているのでこちらもシステム的な連携に問題はありません。
そして、AF, KLとDLは同じスカイチーム内で、それぞれの特典航空券予約がオンラインでできるようになっているので、VSが仮にスカイチームに加盟したとしても特典航空券やマイレージの加算についても、スムーズに移行できるでしょう。
まとめ
世界の三大航空連合の中では、比較的安い運賃で遅れも多いイメージのあるスカイチームですが、今回のJVによって、加盟航空会社を増やしてイメージの向上を目指すのかもしれません。
ただ、航空会社間の連携が強化されるということは、逆に競争原理が働きにくくなり、航空券の価格上昇にもつながりかねません。
個人的にはVSはどのアライアンスにも属さないでほしいなぁと思いますが、いずれにしても今後のこのJWの動きには注目ですね。
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