ヴァージン・アトランティック航空(VS)の機内体験刷新計画

ヴァージン・アトランティック航空(VS)は、今後数年にわたって実施される大規模な顧客体験向上の取り組みを発表しました。
改善計画概要
主な発表内容は以下の通りです。
* スターリンクWi-Fiの導入
* ボーイング787機の全面改修
* アッパークラスとプレミアムクラスの座席数拡大
* ロンドンとニューヨークのクラブハウス(ラウンジ)の刷新
* 新しいアメニティキット
* 新アプリの公開予定
* OpenAIとの提携によるAIコンシェルジュ導入
* 頻繁ではないが継続的に搭乗する乗客への新たな会員優遇制度
スターリンクWi-Fiを全機材に搭載へ
最新の衛星通信「Starlink(スターリンク)」が、同社の機材全体に導入されることが決まりました。
地上回線を超える最大200Mbpsの高速通信が可能で、全ての乗客が無料で利用できます。
導入は2026年に開始され、2027年末までにボーイング787、A350、A330neoに搭載完了予定です(旧型A330は退役予定のため対象外)。
ボーイング B787機の全面改修(2028年〜2030年)
古くなったボーイング787-9のアッパークラス座席は、2003年に設計された古い仕様のままで、「棺桶シート」と揶揄されるほど狭く、プライバシーも乏しいものでした。
日本航空(JL)のファーストクラスも棺桶、と言われますが、それよりもより本物の棺桶に近い感覚。
JLファーストクラスもVS棺桶シートも体験したことがありますが、JLの方はデザインが長方形なだけで、ゆったりしています。
これらを一新し、A330neoで採用された最新仕様のスイート「Upper Class Suite」および「Retreat Suite(ビジネスプラス)」が導入されます。
改修後の787には以下が加わります。
* アッパークラス座席数が31席 -> 44席に増加
* プレミアムエコノミー座席数が35席 -> 56席に増加
* エコノミーは192席 -> 27席に減少(スペース確保のため)
* 機内バーは廃止(スペースの都合上)
A330neoの最新機材にもアッパークラス拡大
今後導入されるA330-900neoでも、アッパークラスが32席 -> 48席に拡張され、Retreat Suiteは6席(Row 1に2席、後部に4席)配置される予定です。
ロンドン・ヒースロー/ニューヨークJFKのクラブハウス刷新
2007年に開業したロンドン・ヒースロー空港(LHR)のクラブハウスは大規模改装が行われ、ロサンゼルスの新クラブハウスと同様、落ち着いた照明と高級感あるインテリアへ刷新されます。
これには「クラブハウスバーガー」「マイルハイティー」などの新しい飲食体験も含まれます。
その他の取り組み
* Votaryとの提携による新アメニティキット(2025年初頭から導入)
* Flying Clubに特化した新アプリ(パーソナライズ強化)
* OpenAIとの協業で、音声操作や感情認識対応のAIアシスタントを導入(アプリ経由で多言語対応)
* 従来のティア進捗が難しい利用者にも継続搭乗を評価する新制度
まとめ
この発表は、VSが今後の成長と顧客重視の姿勢を強く打ち出すものです。
特にStarlinkのWi-Fi導入と、787の全面刷新は、利用者の長年の不満を解消する大きな転機となります。
今後5年をかけて、同社の機材・サービスは劇的に進化していくでしょう。