イスラエルとUAEの国交正常化がもたらすもの
現地時間2020年8月13日、アメリカのホワイトハウスがイスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)と共同で声明を発表し、イスラエルとUAEが国交を正常化することで合意したと発表しました。
イスラエルは1948年の建国以来、アラブ諸国と戦争を繰り返し、対立してきました。
イスラエルが中東のイスラム教国家と国交正常化を樹立するのはエジプトとヨルダンに続き、3つ目の平和条約になりますが、この歴史的な出来事が航空業界・マイレージにどのような影響を及ぼすのか、少し考えてみました。
日本人初のBoardingAreaオフィシャルブロガー PAR@Seasoned Travellerです。
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国交正常化の概要
今回の国交正常化により、両国の間で
・投資
・観光
・安全
・テクノロジー
・エネルギー
・大使館の設置
が相互に行われることになります。
個人的な注目はもちろん
観光
な訳ですが、
これはつまり、UAE各国からテルアビブ(TLV)への直行便が運航されることを意味します。
両国を代表する航空会社といえば
・エティハド航空(EY)
・エミレーツ航空(EK)
・エルアル航空(LY)
ですが、以前、エティハド航空(EY)が貨物便ですがテルアビブ(TLV)へ飛行機を運航したのは、こういった下交渉の最中だったからかもしれませんね。
なんと(貨物便ですが)EYがTLVへの運航を行ったとのこと!
パレスチナの方への物資供給での運航だそうですが、史上初の出来事です。
MSがエアシナイ(4D)という会社を作って無理矢理CAI – TLVの間を運航していますが、今回はこういった小細工はなし。
これからどうなるかな? pic.twitter.com/Y30VMNXzgH— Voyage Avancé (@VOYAGEAVANCE) May 20, 2020
そして現在、LYはほとんど運航できていない状況なのでEK/EYにとってとてもチャンスなのではないかと思います。
DXB – TLVの直行便。
ちょっと俄かには信じがたいですが、初便には搭乗してみたい氣もしますね 🙂
ちなみに、日本航空(JL)のマイレージを利用してDXB – TLVのEKフライトを予約した場合、ビジネスクラス片道30,000マイル / ファーストクラス片道45,000マイルです。
LYはカンタス航空(QF)と提携をしているので、QFマイレージでLYのフライトを予約することが可能です。
(もちろんLYの運航再開が条件となります)
カンタス航空(QF)のマイレージを利用して少しお得にアジアからヨーロッパへ行くには
そして、LYとEK両方と提携しているのがアラスカ航空(AS)。
先見の明があったのかもしれませんが、ASマイレージで中東路線を予約することができればどちらのフライトか選んで予約することができますね。
アラスカ航空(AS)の新しいマイレージ提携パートナー(2019/7/1から)
一方で懸念も
一方で、両国の国交正常化を快く思っていない人たちもいます。
イランやパレスチナなんかはその最たるものですが、イスラエルと関係が悪くなりつつあるトルコもこの合意を避難しています。
そして、外交関係凍結、なんていう声も聞こえてきます。
もしもそんなことになったら、EKやターキッシュエアラインズ(TK)のDXB – IST間の直行便がなくなってしまう、なんていうことにもなりかねません。
2021年、ドバイからイスタンブールへ行く予定があるのですが自分にとっては両都市は修行・ビジネスでとても重要なところなので直行便が無くなってしまうのはとてもつらいです。
特にTKは、DXB線でエアバス A350を利用しているので一度乗りたいと思っていたのですが・・・。
まとめ
世界平和は皆が望むところですが、一方にとっての正義はもう一方にとってそうでないこともあります。
何事もバランスが大事だと思いますが、なんの心配もなく飛行機に乗って様々な場所に氣軽に行けるようになることを願っています。
まずは、UAEとイスラエル、そしてトルコの関係がこれからどうなっていくのか、見守っていきたいと思います。
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