お客様の中にお医者様がいらっしゃらなかったとき
PAR(PRIDEAUX-ANZAI Ryosuke / プリドー安斎亮介)です。
機内では、様々なことが起こり得ます。
けがや心臓発作、出産まで・・・。
それによる緊急着陸、なんていうことだってあり得ます。
2013年の研究によると、世界中のフライトで、機内で医療行為を要する出来事はだいたい604フライトに1回の割合で発生するそうです。
また、エミレーツ航空(EK)は2016年1年間で約194,000フライトを行ったのですが、実に60回、緊急着陸を行ったそうです。
こんな時に、あの有名なセリフ
「お客様の中に、お医者様はいらっしゃいますか?」
が出てくると思うのですが、全てのフライトに医者が乗っているわけではありません。
医者がいないケースの方が、ほとんどでしょう。
ではこういった場合、機内での対応はどうなるんでしょうか?
それに関する記事があったのでシェアをします。
お医者様がいらっしゃらなくても大丈夫!
EKのフライトアテンダントとパイロットは、緊急時に備えて訓練を常に行っているそうです。
彼ら/彼女らは、基本的なライフセーブから出産、心臓発作や低酸素症、外傷、喘息などに対応するための訓練を受けています。
また、訓練のために利用したものと同じ器具が機内に備えられています。
人工蘇生器や酸素ボンベ、AEDや遠隔医療のための設備も整っています。
24時間365日、医療的な話ができるよう常に地上には医師が常駐していて、衛星を利用して機内のスタッフと接続・コミュニケーションができ、搭乗客の突然の病気やけがなどに対応できるそうです。
音声だけではなく、搭乗客の脈の状態を計測して伝えたり、実際の状態を動画で見せたり、緊急着陸をするべき適切な空港を伝えることもできるようです。
もちろん、機内に医者がいた場合には、ボランティアで助けてくれる人も募るそうです。
また、JAL(JL)やANA(NH)は医師であることを事前にマイレージ会員に登録する制度を導入していて、JLの制度には約2500人がこの資格証を所持しているそうです。
登録した医師に上級マイレージ会員向けの空港ラウンジへの入室などの特典を受けられるそうです。
緊急着陸にかかる費用は?
全てのケースではありませんが、急病人が出た場合には緊急着陸を行います。
緊急着陸なので、別途そのためのコストがかかるのですが、その額およそUSD64,000からUSD780,000。
日本円だと、JPY7,200,000からJPY88,630,000です。
費用の内訳は、
・燃油代
・空港着陸と空港利用の費用
・管制に必要な費用
・他の搭乗客に対する対応費用
・客室乗務員に支払う追加報酬
等が含まれます。
それらの費用は全て、航空会社が負担することになります。
病状にもよるそうなのですが、メチャクチャ高いですね!
誰かが気持ち悪くなって緊急着陸した場合には、とてもコストがかかるんですね。
機内で誰かが亡くなった場合には?
悲しいことではありますが、実際にそういうケースもあるそうです。
確率的には、機内で医療行為を行ったにもかかわらず亡くなってしまう、というケースは、緊急で医療行為を行った件数のうち約0.3%程度だそうです。
フライト全体の数から考えたら、相当低い数字です。
こんなに確率の低い事象についても、フライトアテンダントは備えなくてはいけません。
大変ですね・・・。
産まれるー!
こんなケースのためにも、フライトアテンダントは訓練を行っています。
助産婦さん的なことを、行うようですね。
EKではこういった助産婦さんのような訓練もしているそうなので、すごいですね。
ちなみに、出産した際に飛行機がアメリカの領空内にあれば、その赤ちゃんにアメリカ国籍が与えられるのですが、アメリカの国籍を取得するためにわざと機内で出産できるよう狙って搭乗した人もいるそうです。
その人は台湾の人なのですが、病院にしばらくいた後あっという間に台湾に強制送還されてしまったそうです^^;
まとめ
なんだかEKの宣伝記事みたいになっちゃいましたね^^;
今までは、何でEKの運賃は高いんだろうと思っていたんですが、EKの航空券の価格が強気な理由は、こういうところにもあるんでしょうかね。
損をしないような価格設定にしているんでしょうけど、ちょっとEKを見直しました。
LEAVE A REPLY