ジェットエアウェイズ(9W)、一気に5社との提携解消を発表
日本人初のBoardingAreaオフィシャルブロガー PAR(PRIDEAUX-ANZAI Ryosuke / プリドー安斎亮介)です。
ジェットエアウェイズ(9W)が、今年の終わりまでに順次、今まで提携していた航空会社5社との提携を解消するという発表がありました。
一気に5社、というのもすごいですが、今日はこのニュースを掘り下げてみたいと思います。
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9Wって・・・?
ジェットエアウェイズ(9W)はインド第2の航空会社で、ムンバイ(BOM)を拠点としています。
今はどのアライアンスにも属していませんが、エティハドパートナーの航空会社である他、独自に数多くの航空会社と提携を行っています。
ANA(NH)とコードシェアを行っていて、NRT – BOM間で運航をしています。
一応、以遠権フライトも運航しています^^;
9Wのマイレージ提携航空会社
前述の通り9Wは多くの航空会社とコードシェアやマイレージ提携を行っているのですが、2017年7月現在のマイレージ提携航空会社は、
・エティハド航空(EY)
・エア・ベルリン(AB)
・エア・セルビア(JU)
・セーシェル航空(HM)
・アリタリア航空(AZ)
・エティハド・リージョナル(F7)
です。
多いですね^^;
今回提携を解消するのは・・・
これらの航空会社のうち、今年中に提携を解消するのは
で、解消の日時はそれぞれ、
となっています。
スターアライアンスが4社、ワンワールドが1社です。
9Wの提携解消から読み取れるもの
それでは、この提携解消の「意味」について考えてみましょう。
始まりは2017年3月から
実は2017年3月、9WはDLとKLとの提携を強化し、
・ブリュッセル(BRU)への運航を停止し、アムステルダム(AMS)への運航を開始。KLとのコードシェアも開始
・ニューアーク(EWR)への運航を停止し、DLと連携して北米11都市へのコードシェア便を開始
のようなことを行っていたんです。
9WはAAとは結構長い間提携を行っていたのですが、DLとの連携を強化することで、アメリカ方面での提携航空会社はだぶつくことになりました。
AAとの提携解消は、3月の時点から始まっていたんでしょう。
スターアライアンスとの決別
そして9Wは更に、スターアライアンスメンバーである4社とも一気に提携解消を行います。
これで、スターアライアンスメンバーで9Wと提携を継続するのはNZとSA, NHだけになってしまいました。
これはおそらく、インド最大の航空会社エア・インディア(AI)がスターアライアンスメンバーであることと無関係ではないと思います。
これ以上スターアライアンスメンバーと提携を続けても、メリットがないと思ったんでしょう。
また、KLとの提携を強化したことで、路線が重複するLHグループ各社(LH, LX, OZ)との提携解消も行い、一気にスターアライアンスメンバーとの提携を断行しました。
そして・・・
もうお分かりの方もいらっしゃると思いますが、
DL/KLとの連携強化 + スターアライアンスとの決別 = ???
そうです。
ズバリ、
スカイチームへの加盟
です。
これだけわかりやすいと、逆にスカッとしますね^^;
需要旺盛なインドマーケットを本拠地にもつ航空会社がメンバーに加わるというのはスカイチーム的にも嬉しいことでしょうし、9WとしてもAIに対抗するための競争力が強化される、まさにWin-Winの関係にあるんです。
まとめ
さて、これだけわかりやすい変更を行ってきた9Wですが、すんなりスカイチームに加盟できるかどうかはわかりません。
大株主であるエティハド航空(EY)にもお伺いを立てないといけないでしょうし、自社のシステム統合だってスムーズに行われなければいけません。
9Wが予約システム(GDS)として採用しているのは、Sabreです。
ちなみに、スカイチームメンバーの中で自社予約システムとしてSabreを利用しているのは、
です。
結構Sabreを採用している航空会社が多いので、システムの移行自体はすんなりいくでしょう。
もともとSabreは、AAがIBMと共にメインとなって開発されたシステムなんですが、その「本家」との提携を解消して、敢えてDL方面に近づいていくというのは、よっぽど今の状況が不満なんでしょう。
そもそも9Wのマイレージプログラム「JetPrivilege」は、そこまで魅力的なマイレージプログラムではありませんが、スカイチームメンバーになったら更に悪くなるのかなぁ?と思ったりしています^^;
いずれにしても、これからの9Wの動向は要注目ですね。
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