オーストラリアへよく行く人は、どのマイレージプログラムに加算するべきか?
日本人初のBoardingAreaオフィシャルブロガー PAR(PRIDEAUX-ANZAI Ryosuke / プリドー安斎亮介)です。
常駐しているクライアント先のTさんが、こんなことを呟いていました。
Tさんはオーストラリアのパース(PER)に2年に1回程度、台湾・香港にはそれぞれ年1〜2回行くそうです。
で、PERへ行く際は乗り継ぎが良いということでよくSQを利用するそうです。
自分は心の中で、
と思いつつ、自分のマイレージの知識をさらに深めるために、より良いマイレージプログラムの提案をしてみようと思いました。
[toc]
Tさんの希望
日本からPERへ就航している航空会社はありませんが、主に
・シンガポール航空(SQ)
・カンタス航空(QF)
・キャセイパシフィック航空(CX)
だと思います。
Tさん曰く、基本はシンガポール航空(SQ)が望ましいが、カンタス航空(QF)、キャセイパシフィック航空(CX)でもいいとのことでした。
という訳で、各航空会社毎に、最適なマイレージプログラムを考えてみました。
SQの場合
貯める
例えばSQを利用して日本からオーストラリアのパース(PER)へ行く場合は、獲得できるマイレージ数は往復で、
・NRT – SIN – PER
-> 5,745 miles × 2 = 11,490マイル
となります。
2年に1回11,490マイルを獲得するとして、どの航空会社が一番早くPERへ行けるマイレージが貯まるのでしょうか?
一番安いK, Vクラス(Economy Super Saver)
・シンガポール航空(SQ) 10%
・スカンジナビア航空(SK) 10%
Nクラス(Economy Saver代表)
・シンガポール航空(SQ) 50%
・スカンジナビア航空(SK) 50%
Hクラス(Economy Flexi Saver代表)
Economy Flexi Saver搭乗で11,490マイル(100%)獲得できる航空会社
・シンガポール航空(SQ)
・エア・インディア(AI)
・Miles & More利用航空会社
・エア・カナダ(AC)
・コパ航空(CM)
・スカンジナビア航空(SK)
・南アフリカ航空(SA)
・アビアンカ航空(AV)
・エーゲ航空(A3)
・アシアナ航空(OZ)
・エバー航空(BR)
・エジプト航空(MS)
・ターキッシュエアラインズ(TK)
・タイ国際航空(TG)
・ヴァージン・アトランティック航空(VS)
その他
・全日本空輸(NH) 8,043マイル(70%)
・中国国際航空(CA) 5,745マイル(50%)
・ユナイテッド航空(UA) 5,745マイル(50%)
・ニュージーランド航空(NZ) 33 Airpoints
他の提携航空会社便でSQマイレージに加算しようとしても、安いクラスは全くといっていい程加算されません。
ただ、Tさんは復路を変更する可能性があるということでEconomy Flexi Saverの運賃をよく予約するそうです。
Economy Flexi Saverであれば、100%獲得できる航空会社は多くあるので、どれだけ少ないマイレージ数で日本からオーストラリアへ行くことができるかによって決まってくると思います。
この際、貯まるマイレージ(Airpoints)が少ないCA, UA, NZは無視です^^;
使う
JP – SIN – AU
航空会社 | 必要マイレージ数(エコノミー往復) | 必要マイレージ数(ビジネス往復) | マイレージの有効期限 |
---|---|---|---|
アビアンカ航空(AV) | 40,000 | 80,000 | 実質無期限(12ヶ月間に1度でもマイレージの増加があれば更に12ヶ月延長) |
コパ航空(CM) | 45,000 | 80,000 | 実質無期限(24ヶ月間に1度でも変動があれば更に24ヶ月延長) |
全日本空輸(NH) | 45,000 | 75,000 | 3年 |
エジプト航空(MS) | 60,000 | 90,000 | 3年 |
Miles & More | 60,000 | 105,000 | 3年 |
スカンジナビア航空(SK) | 70,000 | 110,000 | 4年 |
南アフリカ航空(SA) | 76,000 | 114,000 | 3年 |
エーゲ航空(A3) | 80,000 | 110,000 | 無期限 |
アシアナ航空(OZ) | 80,000 | 120,000 | 10年 |
エア・カナダ(AC) | 70,000 | 135,000 | 実質無期限(3年間に1度でも変動があれば更に3年延長) |
エア・インディア(AI) | 70,000 | 140,000 | 36ヶ月 |
ヴァージン・アトランティック航空(VS) | 100,000(45,000(JP – SIN) + 55,000(SIN – AU)) | 155,000(70,000(JP – SIN) + 85,000(SIN – AU)) | 実質無期限(3年間に1度でも変動があれば更に3年延長) |
シンガポール航空(SQ) | 105,000 | 140,000 | 3年(有料で6ヶ月延長可能) |
タイ国際航空(TG) | 90,000 | 150,000 | 3年(有料で3ヶ月延長可能) |
ターキッシュエアラインズ(TK) | 105,000 | 150,000 | 3年(有料で6ヶ月延長可能) |
エバー航空(BR) | 105,000 | 155,000 | 3年 |
このうち、一番早く必要マイレージが貯まるのはアビアンカ航空(AV)で、
3往復と片道1回でエコノミークラスの往復特典航空券を獲得可能、
7往復すればビジネスクラスの特典航空券を獲得可能
となります。
一見、NHの75,000マイルの方が少ないと思いがちですが、NHのマイレージはSQのEconomy Flexi Saver搭乗時には70%しか獲得できません。
なので、75,000マイルを獲得するには9回以上往復しなければいけないんです。
フライト以外の貯め方
AVは日本には就航していない航空会社なので、スターアライアンスでのフライト以外での貯め方も重要になってきます。
頼りになるのはホテル予約・宿泊です。
SPG系のホテルに宿泊またはSPGアメックスカードでスターポイントを獲得し、20,000ポイント貯まったところで25,000マイルに交換できます。
AV専用のホテル予約ページもあるようです。
https://travel.lifemiles.com/home/
とりあえずAVのマイレージを貯める場合は、
Kaligo
か
Rocketmiles
でホテルの予約をすればマイレージが貯まるので、これらのサイトを利用すると効率的にマイレージを貯めることができるよ、と案内しておきました。
また、AVのマイレージは購入することもできます。よく125%増量(1マイルの値段で2.25マイル購入できる!)のセールをやっているようなので、セールの時に一気に購入してもいいかもしれませんね。
実際に予約できるのか?
せっかく貯めたマイレージも、実際に使えなければ意味がありません。
なので、少し空席状況を見てみました。
ピークシーズン(オーストラリアの夏や日本のゴールデンウィーク)はAVのマイレージでなくても取れないので、時期は5月下旬(オセアニアのオフシーズン)にしました。
対象は、
NRT – PER
NRT – SYD
NRT – MEL
を調べてみました。
※As of 14DEC16
NRT – PER
空きなし
NRT – SYD
21MAY – 25MAYの間、片道でビジネスクラス空きあり(40,000マイル)
NRT – MEL
空きなし
あまり空き状況がいいとは言えませんが、もっと探せば出てくるかもしれません。
QF, CXの場合
この場合、マイレージを登録するべき航空会社は、QFでもCXでもなく、ましてやワンワールドの提携航空会社でもありません。
アラスカ航空(AS)一択です。
なぜか?
以前投稿しましたが、ASはワンワールド系の航空会社・特にJL, CXのビジネスクラスを利用する際に威力を発揮するマイレージプログラムだからです。
アラスカ航空(AS)のマイレージ最大40%オフセール(2016/12/31まで)
JAL(JL)のファーストクラスで世界半周が70,000マイルでできる航空会社
日本からオーストラリアへは、
・HKG乗り換え(CX)
・SYD/MEL乗り換え(QF)
がありますが、ASのマイレージはこの両社のフライトでマイレージが獲得できます。
NRT – HKG – PERの距離は5,574マイルで復路変更可能な運賃(Flex)でのASマイレージ積算率は50%です。
なので、1回の往復で5,574マイル獲得できます。
NRT – SYD – PERの距離は6,886マイルで復路変更可能な運賃(フレックス)でのASマイレージ積算率は100%です。
なので、1回の往復で13,732マイル獲得できます。
NRT – MEL – PERは6,742マイルで復路変更可能な運賃(フレックス)でのASマイレージ積算率は100%です。
なので、1回の往復で13,484マイル獲得できます。
ASのマイレージを多く獲得する、という意味では、利用するべき航空会社はQFになりそうです。
ASのマイレージでオーストラリアへ行く場合、利用できる航空会社はCXです。
HKG – AUの必要マイレージ数(往復)は、
・エコノミー : 45,000マイル
・ビジネス : 60,000マイル
となります。
4回往復と1回の片道で、ビジネスクラスに乗れてしまいます(HKG – AU間ですが)
日本 – HKG間は、
・LCCを利用する
・Aviosを利用して20,000マイル(往復エコノミー) / 40,000マイル(往復ビジネス)で移動
・ここでもASマイレージを利用してJLフライトを利用する(30,000マイル(往復エコノミー) / 50,000マイル(往復ビジネス)となりますが)
が考えられます。
ちなみに、QFマイレージでCXを利用してのJP-AU間の必要マイレージ数(往復)は、
・エコノミー : 100,000マイル
・ビジネス : 180,000マイル
で、CXマイレージでCXを利用してのJP-AU間の必要マイレージ数(往復)は、
・エコノミー : 60,000マイル
・ビジネス : 110,000マイル
となります。
その差は、歴然ですね。
まとめ
以上のお話をまとめると、
・SQフライトでオーストラリアへ行く場合
AVのマイレージを貯めて、特典航空券を獲得する
・CX, QFフライトでオーストラリアへ行く場合
ASのマイレージを貯めて、特典航空券を獲得する
というパターンが一番効率がよいことがわかりました。
そのため、マイレージプログラムはAV, ASの両方登録しておいた方が良いということになりますね。
ASのマイレージは購入することができるので、セールなどを利用してコツコツ貯めるのがいいでしょう。
また、SIN, HKG, SYD, MELのラウンジも使いたいということだったので、プライオリティ・パスをお勧めしました。
提案を採用してくれるかどうかは別の話ですが^^;
LEAVE A REPLY