飛行機の窓ガラスにある小さな穴は何?
あなたは、飛行機に乗った時に窓の底に小さな穴が開いていることに氣づいたかもしれません。
もし、今まで氣づかなかったのなら、次回はぜひ探してみてください。
この穴、何のためのものなのかご存知でしたか?
ちょっと氣になったので、調べてみました。
日本人初のBoardingAreaオフィシャルブロガー PAR@Seasoned Travellerです。
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安全なフライトには欠かせないもの
今まで氣づいていた人は、「こんな穴があっていいのだろうか」「大丈夫なのだろうか」と思ったかもしれません。
実はこの穴は窓の重要な構成要素で、あなたが思っていたのとは逆に、穴は窓の安全性を高めてくれるものなのです。
なぜ穴が開いているのかを理解するためには、まず飛行機の機内と機外の気圧差について知っておく必要があります。
大氣圏の上空に行けば行くほど、空気は薄くなり、圧力も低くなります。
人間は一定レベルの酸素を必要とするため、飛行機の客室は加圧される必要があります。
そのため、飛行機の中は外界との間に高い氣圧差が生じています。
この氣圧差が飛行機の窓ガラスにストレスを与え、そこに穴が開いてしまうのです。
飛行機の窓は、3層の窓ガラスで構成されています。
一番内側の層は、乗客が触ることができるもので、他の窓ガラスへのダメージを防ぐことができます。
真ん中の窓ガラスは穴が開いているところ、外側の窓ガラスは氣圧に耐える層です。
中板の穴は 「ブリードホール(bleed hole)」と呼ばれ、この穴から3枚目のガラスに空氣が流れ込みます。
真ん中のガラスと外側のガラスの間には隙間があり、この隙間と車内の氣圧を均衡させるためにブリードホールがあるのです。
この穴は、外側のガラスにかかる空氣圧の多くを転換させ、外側のガラスが破損した場合に備えて、中間のガラスが保険のガラスとして機能するようにします。
つまり、空氣圧のストレスでガラスが割れても、もう一枚保護できるようにするのが穴の目的なのです。
ブリードホールは、飛行機の窓の安全性だけでなく、乗客の快適性にも貢献する最も重要な役割の一つです。
ブリードホールは、飛行機の窓の曇りを防止するものでもあります。
飛行機の窓は、外側の冷たい空氣と内側の暖房で簡単に曇ってしまいますが、ブリードホールがそれを防いでくれるのです。
加圧された空氣がブリードホールから2枚のガラスの隙間に抜けると、空隙に溜まった水分も放出されるのです。
窓ガラスに霧が溜まったり、凍結したりすることがなくなり、寒冷地では穴の周りに氷の輪ができることもあるのは、このためです。
まとめ
指よりも小さなブリードホールですが、窓の安全性において最も大きな役割を担っているのです。
窓ガラスが空氣圧で割れることはまずないでしょうが、万が一のためのバックアップは非常に重要なのです。
今度飛行機でこの穴を見かけた時は、この小さな穴が重要な役割を担っていると言うことを思い出しながら写真を撮ってあげてくださいね 😉
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