ホテルチェーンはなぜ、ホテルブランドをいくつも展開しているのか？

世界のホテルチェーンには、いくつものブランドが傘下にぶら下がっています。
　
例えばヒルトン。
　
Tempo、Motto、Canopyは、すべて別のヒルトン・ブランドですが、その違いをご存知ですか？
　
Atwell Suitesがどのチェーンに属しているか、また、Atwell Suites、Staybridge Suites、Candlewood Suitesの違いは何であるか知っていますか？
　
44の異なるブランドを持つ1つのホテルチェーンがあることをご存知ですか？
　
Matra、Adagio、Mantisホテルに宿泊する際、どのアカウント番号を伝えればいいのかわかりますか？
　
マリオットが31番目のブランドとしてCity Expressを導入したり、ヒルトンがHampton Innの廉価版としてSparkを発表したり、ホテルチェーンがブランドを追加するたびに、混乱してしまいます。
　
これ以上、ホテルブランドを増やす必要があるのでしょうか？
　
ホテルチェーンがなぜ、ホテルブランドを増やし続けるのか、少し考えてみましょう。
　
日本人初のBoardingAreaオフィシャルブロガー PAR@Seasoned Travellerです。
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Contents

ブランドが増え続ける理由
ホテルチェーンと運営会社の関係

ブランドが増え続ける理由

どのホテルがどのチェーンに属しているのか、それぞれのブランドが何を意味しているのか、よっぽど好きでない限りわかりません。
　
ブランドが多すぎると思います。
　
ですがブランドは拡大し続け、ホテルチェーンはこれが利益になると信じています。
　
結局のところ、ブランドが多ければ多いほど、より多くのホテルをオープンすることができ、より多くの運営会社やフランチャイズオーナーを惹きつけることができるようなのです。
　
ある研究によると、ホテルブランドを増やす理由として
　
・予測可能な商品・サービス体験への欲求
・広告や流通におけるスケールメリット
・バイヤーとの交渉におけるマーケットパワー
　
があるようです。
　
ホテルチェーンがブランドを導入するのは、料金を支払うホテル数を拡大するためです。
　
潜在的なゲストにアプローチする頻度を高めるためです。
　
また、個々のホテルではなく、ブランドの広告には効果がありますが、多くの場合、個々のホテルブランドにはほとんど広告の投資が行われません。
　
マリオットがスターウッドを買収したとき、いくつかのブランドが崩壊するのではないか、あるいは終了するのではないかという憶測が飛び交いました。
　
ですが、実際には増え続けています。
　
通常、ホテルブランドは、顧客がそのブランドコンセプトを理解し、ブランドに対する信頼を築くために、マーケティングに投資する必要があると考えるでしょう。
　
ブランドが増えれば増えるほど、価格帯や機能の選択肢も増え、ユーザーはそのすべてを理解できないかもしれないですが、ニッチなマーケットは存在します。
　
ですが、マリオットのテクノロジーは、ある市場において、選択肢の多さに必ずしも対応できていません。
　
また、電話応対のトレーニングが不十分だと、目的のホテルが見つからないこともあります。
　
ブランドが価値を持つためには、明確な定義と理解が必要です。
　
収益を得るためには、顧客はそのブランドが何を意味しているのかを理解する必要があります。
　
顧客は、競合ホテルよりもそのブランドを積極的に予約したいと思う必要があります。
　
ですがブランドが増えれば、ホテルと客室が増え、客室が増えれば会員が増え、会員が増えれば客室のマーケティングが可能になり、共同ブランドのクレジットカードの顧客も増えます。

ホテルチェーンと運営会社の関係

現代のホテルチェーンは、ホテルオーナー(運営会社)からの収入(フランチャイズ化)を最大化しようと考えており、ホテルオーナーはチェーンのブランディングによる集客の恩恵を受けながら、それらのゲストにはできるだけお金をかけないようにしようと考えていると理解しています。
　
ブランドを借りている時点で、ホテルオーナーは投資をすることなく利益を求めているのです。
　
最近ではホテルチェーンは、ホテルオーナーがフランチャイズ料を支払えずホテルチェーンから去ってしまい、新しいオーナーの獲得が難しくなることを恐れて、ホテルが手を抜くことを許しているようです。
　
これは、短期的には収益を最大化させますが、ブランドの価値を低下に繋がります。
　
ホテルチェーンにとってブランドは、長期的に見て唯一の価値であるとは言えないでしょうか。
　
自分も最近になってようやく、プルマンのブランドコンセプト(ラグジュアリービジネスホテル)とメルキュール(地元密着のちょっといいホテル)のブランドコンセプトを理解できるようになりました。
　
ただ、海外のメルキュールと日本のメルキュールでは、イメージが全く異なります。
　
日本の方が、圧倒的にイメージはいいですね。
　
最近できたHand Writtenコレクションも、今はさっぱりコンセプトがわかりません。