特典航空券予約時に大きく影響する燃油サーチャージについて
{{name}}さん、こんにちは。
PAR@Seasoned Travellerです。
世の中では、
タダでファーストクラス
とか、
無料で世界一周
と言って、全日空(NH)のマイレージを利用して特典航空券を予約する方法を伝えている人たちがいるようですが、「本物」は絶対に、ゼロ円なんて言いません。
なぜなら、特典航空券には
・空港税
・燃油サーチャージ(キャリアサーチャージ)
といったものがかかり、場合によってはJPY100,000を超える金額になることを知っているからです。
この燃油サーチャージの金額を限りなくゼロに近づけることができれば、本当にお得なフライトができるでしょう。
今回は、この燃油サーチャージについて、少し掘り下げてみたいと思います。
燃油サーチャージとは何か
燃油サーチャージとは文字通り、飛行機を運航する際に必要な燃料費のことです。
なぜ燃料費が運賃に含まれていないか、ですが、航空券の運賃はだいたい、半年に1回、先6ヶ月分の固定された運賃を設定します。
その半年の間に予期しない原油価格の高騰などがあった場合に、2ヶ月に1回くらいの割合で見直される燃油サーチャージの価格を変更することで赤字とならないよう価格を調整しています・・・というのが表向きの説明で、実際は、設定した運賃に対しての需要が多く、もう少し強気な価格でも売上が落ちないと判断した場合に運賃ではなく燃油サーチャージの価格を変更してさらに収益を上げる、という手段として利用されているようです。
一度設定した公示運賃は国土交通省の認可が必要なので、変更するのは面倒なんですね。
燃油サーチャージの価格を制限している国・地域
燃油サーチャージは航空会社が決定するものなので、極端な話いくらにでも釣り上げることができます。
こういうことができないよう、国・地域によっては燃油サーチャージを課してはいけない、または価格の上限を法律で設定されています。
2019年5月現在、燃油サーチャージに関する法律があるところは
・オーストラリア
・アルゼンチン
・ブラジル
・中国(国内線のみ)
・香港
・日本
・ニュージーランド
・台湾
・タイ
・フィリピン
・トルコ
・ベトナム
となっています。
価格の上限は国・地域によって異なりますが、高くてもJPY25,000程度まで、となっているようです。
燃油サーチャージを考慮する必要性
航空会社のマイレージプログラムは2つのパターンに分かれます。
・必要マイレージ数は多いけど、燃油サーチャージがかからないパターン
・必要マイレージ数は少ないけど、高額の燃油サーチャージが徴収されるパターン
このうち前者は北米系航空会社、後者はブリティッシュ・エアウェイズ(BA)や全日空(NH)に多く見られます。
そのため、貯めるべきマイレージプログラムを選択する際も、少し考慮するべきことがあります。
・{{name}}さんがよく行かれる方面に効果的なマイレージプログラムは何なのか
・そのマイレージプログラムは燃油サーチャージを徴収するのか
を、検討しなければいけません。
例えば、ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)のAviosでロンドン(LHR)から東京(TYO)へビジネスクラスで行く際、最低75,000Aviosで行くことができますが、諸税合計でJPY55,000くらい徴収されます。
一方で、同じ必要マイレージ数が必要なユナイテッド航空(UA)のマイレージの場合、燃油サーチャージが徴収されないのでJPY32,000程度で済みます。
空港諸税は支払わなければいけませんが、燃油サーチャージの差がこの金額の差に繋がっています。
NHに至っては、必要マイレージ数はとても少ない(ビジネスクラス往復95,000マイル)ものの、燃油サーチャージが場合によってはJPY70,000くらいかかることがあります。
UAマイレージとはJPY40,000くらい異なる訳ですが、例えばNHマイレージをJPY2で購入できたとして、JPY40,000で購入できるマイレージ数は20,000マイル。
実際は115,000マイルくらいかかっている計算となります。
(それでも必要マイレージ数としては少ない方ですが)
こんなにキャッシュでの持ち出しがかかってしまうと、特典航空券のありがたみが薄れてしまいますね^^;
そして、我らがアヴィアンカ航空(AV)も燃油サーチャージを徴収しません。
空港税と予約手数料USD25がかかるのみ。
こちらも、良心的です。
航空会社毎・燃油サーチャージ徴収状況まとめ
上述の通り、燃油サーチャージを徴収しない航空会社は限られています。
他の航空会社は燃油サーチャージを徴収する訳ですが、マイレージプログラムによって燃油サーチャージを徴収しないケースもあります。
主な航空会社のマイレージプログラム毎に、燃油サーチャージの徴収状況をまとめてみました。
エア・カナダ(AC)
自社便 : 燃油サーチャージ徴収あり
提携航空会社便 : 一部航空会社は燃油サーチャージ徴収なし
・エーゲ航空(A3)
・エアインディア(AI)
・ニュージーランド航空(NZ)
・アヴィアンカ航空(AV)
・ブリュッセル航空(SN)
・コパ航空(CM)
・クロアチア航空(OU)
・エジプト航空(MS)
・エチオピア航空(ET)
・エバー航空(BR)
・スカンジナヴィア航空(SK)
・深圳航空(ZH)
・シンガポール航空(SQ)
・スイスインターナショナルエアラインズ(LX)
・TAPポルトガル航空(TP)
・ターキッシュエアラインズ(TK)
・ユナイテッド航空(UA)
FlyingBlue
自社便 : 燃油サーチャージ徴収あり
提携航空会社便 : 一部航空会社は燃油サーチャージ徴収なし
・デルタ航空(DL)国内線
・アエロメヒコ航空(AM)
・廈門航空(MF)
アラスカ航空(AS)
自社便 : 燃油サーチャージ徴収なし
提携航空会社便 : 一部航空会社は燃油サーチャージ徴収あり
・ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)
・海南航空(HU)
・アイスランド航空(FI)
アメリカン航空(AA)
自社便 : 燃油サーチャージ徴収なし
提携航空会社便 : 一部航空会社は燃油サーチャージ徴収あり
・ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)大西洋路線
・イベリア航空(IB)
全日空(NH)
自社便 : 燃油サーチャージ徴収あり(少額)
提携航空会社便 : 一部航空会社は燃油サーチャージ徴収なし
・エアカナダ(AC)
・アヴィアンカ航空(AV)
・ユナイテッド航空(UA)
キャセイパシフィック航空(CX)
自社便 : 燃油サーチャージ徴収あり
提携航空会社便 : 一部航空会社は燃油サーチャージ徴収なし
・アラスカ航空(AS)
・エアリンガス(EI)
・アメリカン航空(AA)大西洋路線以外
・LATAM航空(LA)
・カンタス航空(QF)オーストラリア発以外
Miles&More
自社便 : 燃油サーチャージ徴収あり
提携航空会社便 : 一部航空会社は燃油サーチャージ徴収なし
・エアカナダ(AC)北米内路線
・ユナイテッド航空(UA)北米南米路線、太平洋路線
シンガポール航空(SQ)
自社便 : 燃油サーチャージ徴収なし
提携航空会社便 : ユナイテッド航空(UA)以外燃油サーチャージ徴収あり
ヴァージン・アトランティック航空(VS)
自社便 : 燃油サーチャージ徴収あり
提携航空会社便 : 一部航空会社は燃油サーチャージ徴収なし
・デルタ航空(DL)ヨーロッパ発路線以外
・ハワイアン航空(HA)
・ヴァージン・オーストラリア(VA)
ここに挙げなかった航空会社はほぼ全て、燃油サーチャージがかかると思っていただいて差し支えありません。
まとめ
今回お話したことを総合すると、
・特典航空券は、必要マイレージ数 + 燃油サーチャージの価格を総合して判断し、予約する
・アヴィアンカ航空(AV)はやっぱりステキ
ということになると思います。
AVマイレージについて、JPY1.6くらいで安定的に取得でき、必要マイレージ数もそんなに多くなく、燃油サーチャージがかからず、予約時にマイル + キャッシュで支払うことができるのでとてもバランスの良いマイレージプログラムだと思います。
もちろん自分も、活用しています 🙂
それではまた来週!